我々は、学校で何年も英語を習うので、少なくとも基本的な英語は承知している。
しかし、その英語の、言語としての特徴については、どれほど知っているだろうか。
否、どれほど意識しているであろうか、というべきかも知れない。
日本語との違いを、あれこれ挙げてみることができても、それはあまり有意義ではない。
日本語と英語とでは、言語としてのギャップが大きすぎて、
そう簡単に、同じ土俵に、立たせることはできない。

こういう場合には、言語として近い関係にあるもの同士を比較するのが、最良の方法である。
ここでは、英語を、北海を挟んで隣りの、ドイツ語の側から観察し、文法的に比較する。
この比較を通して、一般には、ほとんど意識をされていない(と思われるのだが)
ヨーロッパの諸言語の中における英語の特徴(あるいは特異性)が、
おそらく、かなり明瞭に、おもてに現れてくるであろう。

英語は、いまでは世界を席巻しているが、言語としては、じつは、ヨーロッパの一方言にすぎない。
英語の用法が絶対的なものではなく、相対的なものであることが実感できれば、
英語を使わざるをえないときでも、ずいぶんと気が楽になると思う。

なお、なるべく現代語に焦点を当て、こと歴史的な事柄に関しては、必要最小限にとどめる。
じつのところ、小生、言語史に関する知識はあまりないゆえ、そうせざるを得ない。
この点については、容赦願いたい。

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                     references:
                    小島公一郎、ドイツ語史、大学書林 1964
                    三好助三郎、新独英比較文法、郁文堂 1977
                    小野捷、英語史概説、成美堂 1980
                    "l'allemand sans paine", ASSiMiL, 1972
                    "la platique de l'allemand", a.a.O, 1973.
                    "la platique de l'anglais", a.a.O, 1974.