|
|
比較文法(ドイツ語と英語)
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
疑問代名詞の種類は4つ。ドイツ語、英語とも、 w- のかたち (フランス語は q- ) である。
|
wer
|
was
|
welcher
|
was für ein
|
who
|
what
|
which
|
what kind (sort) of
|
|
wer (who) と前置詞
英語では、文頭には主体を置くという語感が根強いため、前置詞を文尾に回す傾向がある。
|
Mit wem sind Sie gekommen? |
Who(m) did you come with?
|
|
was (what) と前置詞
ドイツ語では融合形になる。英語にも where と前置詞の結合した形 whereof, whereby などがあるが、今日ではは古語となり、ほとんど用いられない。
|
Wovon sprechen Sie? |
What are you talking about?
|
|
ドイツ語の welcher は定冠詞の格語尾のような変化をする。英語 (which) は無変化。
|
Welchen Weg gehen Sie? |
Which way are you going? |
|
was für ein は ein が必要に応じた変化をする。
für は もとは als (as)のような意味で、古くは was と für に分離していた。
|
Was für ein Buch haben Sie da?
|
< Was haben Sie da für ein Buch? 原義:本として 何を持っているか |
What kind of (a) book do you have there.
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
関係代名詞は先行する名詞を受け、同時にその名詞について説明する文章を結び付ける働きをしている。それゆえ、代名詞であると同時に従属の接続詞である。
その種類は2種類で、特定の先行詞を受ける定関係代名詞と、それ自身の中に先行詞を含む不定関係代名詞がある。
定関係代名詞
語源的には:der は指示代名詞からの転用。who, which は疑問代名詞から転用されたもの。
英独の比較
1. 英語では who は人に関して、which は動物や事物に関して用いられるが、ドイツ語では先行詞の文法上の性別に従う。
2. 従属文であるため、ドイツ語においては、定動詞が後置される。
3. 格は英独共通。
4. 先行詞を修飾する限定的用法と、先行詞について追加的な説明を加える非限定的用法があり、英語では、概して、限定的用法ではコンマを必要としせず、追加的な説明の場合はコンマが必要であるが、ドイツ語では、いずれの用法においてもコンマを必要とするので、形態の上では区別ができない。
|
Der Mann, der mir helfen kann, kommt heute nachmittag.
|
The man who can help me comes this afternoon.
|
Ich fragte die Köchin, die (aber) nichts wußte, ...
|
I asked the cook, who knew nothing, ... |
|
追加:
5. ドイツ語では関係代名詞にともなう前置詞は必ずそれに先行するが、英語では、疑問文の場合のように、前置詞の後置が可能である。
|
Du bist der einzige Mann, vor dem ich keine Angst habe.
|
You are the only man whom I am not afraid of. |
|
6. 関係代名詞の省略:ドイツ語では、いかなる場合でも不可。英語では主格・目的格がよく省略される。
英語では語順が確立されており、関係代名詞を省いても意味の不明を招く恐れがないため、省略が可能になる。
|
Das war der Plan, den er lange zuvor gefaßt hatte.
|
That was the plan he had formed long ago. |
|
|
|
|
不定関係代名詞:
不特定の漠然とした人ないし物を示していることから、こう呼ばれるが、先行詞をそれ自身の中に含んだ関係代名詞と定義してもよい。
ドイツ語の不定関係代名詞 wer; was は疑問代名詞から転用したもので、それぞれ、英語の he who, whoever; what, that which, whatever に対応する。
|
Wer es nicht fühlt, dem kann man es nicht begreiflich machen.
|
He who has no feeling for it cannot be made to understand it. |
Was er vornimmt, das macht er auch vortrefflich.
|
Whatever he takes up, he does splendidly. |
|
なお、英語の who が定関係代名詞として用いられるようになったのはシェークスピア以後のこと。かつてはドイツ語の wer のように不定関係代名詞だった。
was は、特殊用法として、不定な一般的な内容をもつ語を先行詞とすることができる。この場合、英語では、概して that を用い、前文の内容を受けるようなときは which を使っている。
|
Alles, was du sagst, ist richtig.
|
Everything that you say is correct. |
Ich weiß etwas, was Sie nicht wissen.
|
I know something that you do not. |
Sie reichte ihm die Hand, was ihn offenbar überraschte.
|
She shook him by the hand, which surprised him obviously. |
|
|
|
|
|
|
|
先行詞が時・場所・理由などを表わす場合は、前置詞+関係代名詞のかわりに、関係副詞がよく用いられる。この用法はドイツ語と英語に共通する。
als
|
wo
|
warum
|
wie
|
when
|
where
|
why
|
how
|
|
Von dem Augenblicke, als ich sie zum erstenmal sah, ... |
From the very moment when I saw her the first time, ... |
Das ist der Grund, warum ich darauf bestehe. |
That's the reason why I insist upon it. |
|
|
|
Ritter, Tod und Teufel
Albrecht Dürer, 1513
Nationalgalerie (Berlin)
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
今では、ドイツ語の指示代名詞の種類は相当数あるが、そのうちで、der が基本的かつ一般的な指示代名詞である。そしてこれが、関係代名詞、定冠詞(アクセントは弱まる)としても用いられている。英語の「指示代名詞 that 、関係代名詞 that (一般的には疑問代名詞 who, which を転用)、定冠詞 the 」という関係になる。
その用法としては、名詞の前につけて、指示形容詞として用いられる場合と、独立して名詞的に指示代名詞として用いられる場合(この場合、英語は概して人称代名詞を用いる)とがある。
|
Der Mann ist stark. |
That man is strong. |
Der ist mein Onkel. |
That (He) is my uncle. |
|
指示代名詞の用法
1. 近接指示
|
Eine goldene Kette? Woher hast du die?
|
A gold chain? Where've you got that? |
|
2. 名詞の反復を避けて:
|
Die Begabung des Künstlers weicht von der des Denkers stark ab.
|
The gift of the artist greatly differs from that of the thinker. |
|
3. 指示代名詞と前置詞の融合形
指示代名詞が物を指す場合、ドイツ語では da+前置詞 damit, darauf などが用いられるが、この形は英語では今日ほとんど用いられない。
|
Daran habe ich noch nicht gedacht.
|
I have not thought of that. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|