セッティマ・レツィーネ




I complementi (elementari) (イ・コンプレンティ [エレメンーリ])


この課では、とくに「文章内の補語の位置」について、概観する。
各人称の「補語の一覧」(まとめ)は次の課に載せ、そのさい若干の補足も加えるつもり。

間接補語や直接補語はふつう動詞(定形)の前に置かれる。発音も動詞とほとんど一体となる:

Che cosa regali a Maria? - Le regalo una stampa antica.
ーザ レーリ ア・マーア? ― レ・レーロ ウナ・スンパ アンティーカ。
マリーアには何を贈るの? ― 彼女には古い切手を贈る。
E a Marco, che cosa gli regali? - Non so, tu che cosa mi suggerisci?
エ ア・ルコ、ケーザ リ・レーリ? ― ノソ、トゥ ケ・ーザ ミ スッジェシ?
そしてマルコには、彼には何を贈るの?  ― わからない、あなたは私にどんなものを提案してくれる?
Ma non ho la macchina, lo sai. - Ma ce l'ho io! 'E proprio qui all'angolo...
マ ノ・ノ ラ・ッキナ、ロ・。 ― マ チェ・ロ ーオ! エ プープリオ クイ アンゴロ . . .
しかし車を持っていませんよ、知っているでしょ。  ― でも私が(それを)持っている! ちょうどそこの角に置いてある。

[to] her = le; [to] him = gli


 なお、補語は、完了の助動詞あるいは否定の non があっても同じように定形の前に置かれる。

Mi ha scritto.
ミ・ア スクット。
彼は私に書いてよこした。
No, le ho mangiate ieri.
、レ・オ マンジャーテ イェーリ。
いや、それは(f.pl.)きのう食べた。
Non mi scrive.
ノンミ・スクーヴェ。
彼(女)は私に書いてよこさない。
Dov'e Ida? Non la vedo.
ーヴェ ーダ? ノンラ・ヴェード。
イーダはどこにいるの? (私は)彼女が見えないわ。


Scrivo loro または gli scrivo: 学校文法上は「彼らに」は loro なのだが、これは書きことばやフォーマルな場合に限定され、話しことばにおいては、男性および女性の複数形に gli を使う傾向にあるようだ。なお loro は常に動詞のあとに置かれる。

会話では:
cf.
電文などであれば:
Che cosa gli scrivo? MANDIAMO LORO UN MILIONE DI AUGURI.
ーザ リ・スクーヴォ マンディーモ ーロ ウン ミリーネ ディ アウーリ。
彼らに(私は)何て書こうかしら? 私たちは彼らに心からの(たくさんの)祝福を送ります。


 注意:補語としての人称代名詞が動詞の不定形(不定詞)と共に使われるときは、
不定形の末尾に(語末の母音 -e を落とし)接尾辞のように付け加えられる(例えば: vedere + lo veder-lo のように )

Esco per vederlo. Decido di comprarli. Sono contento di vederti.
スコ ペル・ヴェロ。 ード ディ・コンプールリ。 ーノ コンント ディ・ヴェールティ。
私は彼に会いに出かけます。 それらを買うと決める。 (私は)君に会えてうれしい。
E dove andiamo a comprarli, questi regali, Francesca?
エ ーヴェ アンディーモ ア・コンプリ、クスティ・レーリ、フランチェスカ?
それでそれらを買いにどこへ行きましょうか、これらのプレゼントを(買いに)、フランチェスカ?


 不定詞の前に potere, dovere,volere, sapere があると、このときの語群の配列には二とおりのパターンがある:
つまり、補語(人称代名詞)は不定詞の末尾に付けたままにするか、あるいは、離して、この二つの動詞の前に置く。


Possiamo comprarlo alla Rinascente.
cf.
Lo possiamo comprare alla Rinascente.
ポッシーモ コンプロ アラ・リナシェンテ。 ロ ポッシーモ コンプーレ アラ・リナシェンテ。
われわれはそれをリナシェンテ(デパート)で買うことができる。






「私は(あなたは)〜したい」「〜しましょうか?」「もしお望みなら」などの表現:

Ho voglia di andare a mangiare un gelato in un caffè.
オ・ヴォッリア ディ・アンーレ ア・マンジャーレ ウン・ジェート インヌン・カッフェ
私はカフェでジェラートを食べにゆきたい。
Hai voglia di fare una passeggiata?
イ ヴォッリア ディ・ファーレ ウナ・パッセッジャータ?
あなたは散歩をしたいの?
Vogliamo andare all'Opera anche noi?
ヴォッリーモ アンーレ アーペラ ンケ・イ?
私たちもオペラに行きましょうか?
Se volete assagiare la vera pizza napoletana, chietete quella con aglio, origano e pomodoro.
セ ヴォーテ アッサジャーレ ラ・ヴェーラ・ッツァ ナポレーナ、 キエデーテ クラ コンーリオ、オーガノ エ ポモーロ。
もし本当のナポリ風ピッツァを味わいたいのなら、ニンニクとオレガノ入りのトマトのピッツァを求めなさい。





Piero del Pollaiolo
(o suo fratello Antonio del P.)
Ritratto di giovane dama
1470-1472 circa
Museo Poldi Pezzoli, Milano
〜するために: per + 不定詞

Abbiamo invitato qui da noi degli amici per festeggiare il nuovo lavoro di Marco.
アッビーモ インヴィート イ ダイ デッリアーチ ペル フェステッジャーレ イル ヌーヴォラヴォーロ ディ ルコ。
私たちは マルコの新たな仕事を祝うために この家に友だちを(幾人か)招待しました。





La forma riflessiva (ラ・フォルマ・リフレッーヴァ)

教科書風な表現を借りれば、「再帰態は主語と同一を表す補語を伴う」云々というようなことになる。

そのかたちを分類すると、

明瞭に主語自身を目的語にする形、
形式的な再帰形 (farsi la barba ヒゲを剃る など)、
ただ習慣的に si をつけているタイプ(accorgersi 気がつく)など、
となる。

が、ともかく再帰動詞とは、代名詞 si と他動詞との組み合わせという点では共通であり、そんなに分類にこだわらなくともよい。


再帰代名詞を伴う再帰的な表現について、大事なこと:

ひとつ:「他動詞を自動詞に変えること
ふたつめ:動作が自分のところに戻ってくる表現ゆえ「受動のようなニュアンス」を持つ。

このふたつを承知しておくだけでよいし、また、このことが肝心なことでもある。

あとは、この表現に慣れ親しむことだけ。

 話のついでに:
英語では他動詞をそのままのかたちで自動詞にも利用してしまっているから、再帰代名詞には活躍の場がなく、
ほとんど消えたも同然だが、他のヨーロッパ諸語においては、共通して、再帰代名詞が大いに利用されている。


それはさておき、イタリア語の再帰動詞について、
 例えば alzarsi (起きる)の現在人称変化は次のようになる:


alzarsi
アルツァールシ
(io)
(tu)
(lui/lei)
(noi)
(voi)
(loro)
mi alzo
ti alzi
si alza
ci alziamo
vi alzate
si alzano
ミ アルツォ
ティ アルツィ
シ アルツァ
チ アルツィアーモ
ヴィ アルツァーテ
シ ルツァノ

再帰的表現の現在形の例文:

Un giovanotto si avvicina al mio tavolo.
ウン ジョヴァット シ・アッヴィーナ アル・ミオ・ーヴォロ
ひとりの青年が私のテーブルに近づいてくる。
Ti ricordi di me? Sono Filippo Mari...
ティ・リルディ ディ・メ? ーノ フィッポ ーリ . . .
私のことを憶えていますか? (私は)フィリッポ・マーリです。


なお、その代表形(不定形)の場合は融合してひとつの語になる (-e が落ちる) 。 (prepararepreparar-si)。
その例文:

L'idea di trasferirti a Milano non ti preoccupa un pò?
ーア ディ・トゥラスフェールティ ア・ミーノ ノ・ティ プレックパ ウン・
(Doesn't the idea of moving to Milan worry you a little?)
ミラノに引越すことを思うと(きみは)少し心配ではありませんか?
Domani dobbiamo svegliarci all'alba.
ーニ ドッビーモ ズヴェッリールチ アルバ
あした(私たちは)夜明けに起きなければならない。


 次は prepararsi (支度・用意をする)の過去人称変化(完了形・近過去)。
 とくに何の問題もないが、完了形は助動詞に essere を使用することにご注意!
また、この場合、やはり過去分詞は主語の人称と数に一致させることが必要。:

prepararsi
プレパールシ
(io)
(tu)
(lui/lei)
(noi)
(voi)
(loro)
mi sono preparato/a
ti sei preparat
o/a
si è preparat
o/a
ci siamo preparat
i/e
vi siete preparat
i/e
si sono preparat
i/e
ミ ソーノ プレパート/タ
ティ セイ プレパート/タ
シ エ プレパート/タ
チ シーモ プレパーティ/テ
ヴィ シーテ プレパーティ/テ
シ ーノ プレパーティ/テ


その例文:

Ci siamo presentati e ci siamo seduti in due comode poltrone.
チ・シーモ プレゼンーティ エ チ・シーモ セドゥーティ イン ドゥーエ ーモデ ポルトーネ
私たちは互いに自己紹介をして(二脚の)快適なひじ掛けイスに腰をおろした。
Mi sono accorto che ci sono mille cose che non funzionano.
ミ・-ノ アッルト ケ チ・-ノ レ・ーゼ ケ ノン・フンツィーナノ。
私は正常に作動しないものが千もあるということに気がついた。
 (注:この例文にの最初の che は、名詞節を導く that のようなもの、後の che は 関係代名詞 (cf. L.14))





 第5課で ci について、次のような基本的な用法:c'è, ci sono は英語の there is, there are にあたることをすでに見たが、

cf.
C'è moltissima gente.
Ci sono delle birre.
チェ モルティッシマ・ジェンテ。 チ・-ノ デレ・レ。


その続き。まず、否定の表現は non c'è となること。

それから、代名詞の ne は「 di+名詞」の代わりに、つまり名詞の繰り返しを避けて「それについて」の意で使われるが、
ci は、その後に、この ne が続くと、 ce になる。つまり ce ne となる。が、単にそのほうが発音しやすいために生じる。
人称代名詞の直接補語 lo, la, li, lecf. 次の課の「補語の一覧」)が後に付くときも、同じ理由で、ce になる。

「冷蔵庫にビールは入っていますか」と聞かれたとき、
1本しか入っていない 2本入っている たくさん入っています
C'è ne solo una.
Ce ne sono due
Ce ne sono molte.
チェ・ネ ーロ ーナ。
チェ・ネ・ーノ ドゥーエ。
チェ・ネ・ーノ ルテ。

あるいは「そこに 〜 を持っているか、ここに 〜 が付いているか」と聞かれたとき、
Carlo, hai un giornale per il viaggio? - Si, ce l'ho.
ロ、-ユン・ジョルーレ ペリル・ヴィッジョ? ― シ、チェ・ロ。
カルロ、(この)旅行のための新聞を持っている? ― うん、(ここにそれを)持っている。
Scusi, Signorina, questo treno ha un vagone-ristorante? - No, non ce l'ha.
ージ、シニョーナ、クスト・トーノ ア・ウン・ヴァーネ・リストンテ? ― ノ、ノン・チェ・ラ。
すみません、車掌さん(シニョリーナ)、この列車には食堂車が付いていますか? ― いえ、付いていません(ここにそれを持たない)、
Nonna, faccele vedere subito!
ンナ、ファッチェレ、ヴェーレ、ービト!
おばあちゃん、ぼくたちにそれらをすぐに見せて!(注、fai, fa' < fare: to do, to make、命令形、詳細は12課で)

などとなる。


サンプルをもうひとつ:
C'e un buon ristorante da queste parti? - Ce ne sono tre carini e ce n'è uno proprio buono verso Porta Ticinese.
チェ ウン・ブオン リストンテ ダ・クステ・ルティ? ― チェ・ネ・ーノ トゥレ・カーニ エ チェ・ネ・ーノ プープリオ ブーノ ヴェルソ ルタ ティチーゼ。
このあたりによいレストランはありますか? ― 感じのよい店が3つあります、そしてティチネーゼ門の近くには特別によいレストランがひとつあります。






- Insomma, bambini! Avete voluto le patate fritte, e ve le abbiamo ordinate,
インンマ、バンーニ! アヴェーテ ヴォート レ・パーテ・フッテ、エ ヴェ・レ アッビーモ オルディーテ、

avete chiesto l'aranciata e il cameriere ve ne ha portate due...
ヴェーテ キスト ラランチャータ エ イル・カメリーレ ヴェ・ネ・ア・ポルーテ ドゥーエ . . .

Se non smettete di litigare, sapete che cosa succede adesso?
セ・ノン スメッーテ ディ・リティーレ、サーテ ケ・ーザ スチェーデ アッソ?

 bambini (子供たち) , patate fritte (フライドポテト) , ordinare (注文する), aranciata (オレンジ・ジュース), litigare (喧嘩する), succedere (生じる)


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