Ottava Lezione




I complementi (varietà) (イ・コンプレンティ [ヴァリエ])

人称代名詞の直接補語(直接目的語)と間接補語(間接目的語)
      (Complementi diretti e indiretti [コンプレンティ・ディッティ エ インディッティ])

直接補語
間接補語
私を
君を
彼を
彼女を
私たちを
君たちを
彼らを
彼女たちを
mi
ti
lo
la
ci
vi
li
le
私に
君に
彼に
彼女に
私たちに
君たちに
彼らに
彼女たちに
mi
ti
gli
le
ci
vi
gli / loro
gli / loro


 これらの代名詞は動詞の直前に置かれる。アクセントを持たず、動詞と一語を成すかのように発音される。
  それゆえ、「人称代名詞の弱形」とも言う。

Che cosa regali a Maria? - Le regalo un pullover.
ーザ レーリ ア マーア? ― レ レーロ ウン プーヴェル。
マリーアには何を贈るの? ― 彼女にはセーターを贈る。
Gli posso comprare un bel beretto di lana rossa!
リ ッソ コンプーレ ウン べル ベット ディ ーナ ッサ!
彼にはウールの赤い帽子を買いましょう(買うことができる)。

ただし、loro だけは例外で、常に動詞の後に従い、アクセントも持つ。
そして、これは前の課でも触れたことだが、じつは学校文法上は「彼ら(彼女たち)に」は loro なのだが、
これは書きことばやフォーマルな表現に限られ、話しことばとしては一般に gli が用いられている。

フォーマル:
Mandiamo loro un milione auguri.
マンディーモ ーロ ウン ミニーネ アウーリ。
We send them a milllion wishes.
話しことば:
Che cosa gli scrivo?
ーザ リ スクーヴォ?
What shall I write them?



人称代名詞の強調形は次のようになる:

直接補語の強調形
間接補語の強調形
(英)
(伊)
(英)
(伊)
(me)
(you)
(he / him)
(she / her)
(we / us)
(you)
(they / them)
me
te
lui
lei
noi
voi
loro
(to me)
(to you)
(he / to him)
(she / to her)
(we / to us)
(to you)
(they / to them)
a me
a te
a lui
a lei
a noi
a voi
a loro

これらは強調形ゆえにアクセントも持っている。

「(私は)君に話す。」は、
弱形を用いれば:
Ti parlo.
だが、強調形を用いると → 
Parlo a te.
ティ ロ。
ロ ア


なお、前置詞、con, per, di などと共には、常に強調形が用いられる。

Ho parlato con lui a lungo.
オ パート コン・イ ア・ンゴ。
私は長いこと彼と話をした。
Per voi, signore, una grande offerta speciale della Rinascente.
ペル・ヴォイ、シニョーレ、ウナ・グンデ オッフェルタ スペチャーレ デラ・リナシェンテ。
あなた方、ご婦人方のためのリナシェンテ(デパート)のすばらしいサービス(提供)。



間接補語 (mi, ti, gli, le, ci, vi) + 直接補語 (lo, li, la, le, ne) は次の表のようになる。

この場合に、発音をしやすくするために me, te, glie- のように間接補語の語尾が -e に変る。

 gli が e をつけ加えて直接補語と融合し glielo, glieli . . . となるが、このパターンは、
「彼にそれを、彼女にそれを、あなたにそれを」を意味で用いられる。
そして「話しことば」においては「彼らにそれを」「彼女らにそれを」の場合にも用いる。したがって、使用頻度がきわめて高い。
それゆえ、このかたちをそのまま受け入れて、慣れるようにするのがベスト。

me lo
te lo
glielo
ce lo
ve lo
メロ
テロ
リエロ
チェロ
ヴェロ
me li
te li
glieli
ce li
ve li
me la
te la
gliela
ce la
ve la
me le
te le
gliele
ce le
ve le
me ne
te ne
gliene
ce ne
ve ne
メネ
テネ
リエネ
チェネ
ヴェネ

次にその例文:

L'indirizzo esatto non melo ricordo. Chiamo Marco e glielo chiedo.
リンディッツォ エット ノン・メロ リルド。キーモ ルコ エ リエロ キード。
正確な住所が思い出せない。マルコを呼んで、彼に(それを)尋ねよう。
Abbiamo una nostra specialità, gli gnocchi al pesto: Glieli consiglio signora.
アッビーモ ウナ・ーストラ スペチャリ: リエリ コンーリオ シニョーラ。
私たちのところの名物のひとつ、ニョッキです: (あなたに)それ(ら)をお勧めします、奥様。


不定詞が(語末の母音 -e を落とし)単独の補語と融合するパターンを前の課(第7課)で見たが、
補語の複合形とも、同じように、語尾の -e を落として融合する。

Ho deciso di dirglielo.
オ・デーゾ ディ・ディリエロ。
(私は)それを君に言うことにした(決意した)。


potere, volere などが不定詞の前にあるとき、補語の複合形の扱いは、単独の補語の場合と同じで、
この複合形は不定詞と結合するか、あるいは動詞群の前に置かれる。

Possono prendere una spigola o un'orata. Gliele posso fare al forno o alla griglia.
ッソノ プンデレ ウナ・スーゴラ オ・ウノータ。リエレ ッソ ファーレ アル・フォルノ オアラ・グッリア。
(好みで)スズキまたはクロダイを召し上がることができます。(あなた方に)それらをオーブンあるいはグリルで焼いて差し上げることができます。
Il vino della casa è genuino: posso garantirGlielo.
イルヴィーノ デラ・ーザ エ・ジェニューノ: ッソ ガランティリエロ。
我々のところの(店の)ハウス・ワインは本物です: それは(それをあなた方に)保証いたします。



ne ci について:

ふつうは、人称代名詞の弱形の場合と同様に、動詞(定形)の前に置かれる。
Nel frigorifero ci sono delle birre.
ネル フリゴーフェロ チ・ソノ デレ・レ。
冷蔵庫にはビールが(いくつか)入っています。
Si, ne ho fatte parecchie.
シ、ネ・オ ファッテ パッキエ。
ええ、(それについては)何枚か撮りました。

しかし ecco や不定詞(不定形)と共に使われるときは例外:
Eccone un altro.
エッコネ ウルトロ
こちらに別なものがあります。
Vogliamo andarci, Francesca?
ヴォリアーモ アンダルチ、フランチェスカ?
そこへ(一緒に)行きましょうか、フランチェスカ?
(なお、不定形の語尾の -e は落ちる)



 誰かある人に Lei を使って話すときは、つねに3人称単数女性形 la, le が用いられる:

La chiamo domani, dottore.
ラ・キアーモ ドマーニ、ドットーレ。
(あなたに)あした電話を差し上げます、ドクター。
Le presento mio figlio, signor Merli.
レ・プレント -オ・フィッリオ、シニョール・リ。
(あなたに)私の息子を紹介いたします、メリさん。
Buongiorno, signora. In che cosa servirLa?
ブォンジョルノ、シニョーラ。イン ケ・ーザ セルヴィラ?
こんにちわ、シニョーラ。何をお望みですか(何の用件であなたにお仕えしましょうか)」?
Ma posso mostrarLe un altro modello. Le piace questo?
マ ッソ モストレ ウルトゥロ・モロ。レ・ピーチェ スト?
でもほかのタイプをお見せることができます。これはいかが(あなたにとって好み)ですか?

これらは小文字でもよいのだが、 
「フォーマルな場合、公的に書かれる場合は」大文字で書くのが習慣である。
この講座では、敬称としての表現を明瞭にするために「大文字」を採用したい。





La forma impersonale (ラ・フォルマ・インペルソーレ)

ここでは非人称動詞 (verbo impersonale) および非人称的表現を取り上げる。


まずは非人称動詞について。原則は、主語を持たず、三人称単数の変化を利用する動詞。
非人称動詞の特徴は「主語を問題にしないで、行為や現象のみに注意を向けている」ことである。

)気象に関するもの、これが本来の非人称動詞で基本的なもの:
Uffa, piove già...
ッファ、ピーヴェ・ジャ . . .
あーあ、もう雨が降り出した . . .
Fa freddo, c'è tanta neve.
ファ・フッド、チェ ンタ・ーヴェ。
(気候は)寒い、雪が多い。
Ha piovuto tutta la giornata.
ア・ピオート トゥッタ・ラ・ジョルータ
1日じゅう雨が降った。
cf.
フランス語では、このような場合、何の意味も持たない il を形式上の主語にして表現している。
英語なら、itthere などになると思われる。
Il pleut dehors.
It is raining outside.
Qu'est-ce qu'il y a à la télévision ce soir?
What is there on television tonight?

)そのほかの非人称動詞:
「必要である」、「都合がよい」など:
Per trovarlo proprio buono bisogna andare a Modena.
ペル・トロヴァロ プープリオ・ブーノ ビニヤ アンーレ ア・ーデナ。
ほんとうに良いものを見つけるには(ひとは)モデナへ行かなければならない(行くことが必要である)。
Non occorre piangere per una sciocchezza simile.
ノノッレ ピンジェレ ペルーナ・ショッツァ シーミレ。
(おまえは)そんなつまらない(ばかげた)ことを嘆き悲しむには及ばない(必要ない)。
Allora ci conviene lasciarla e andare a piedi.
ーラ チ・コンヴィーネ ッシャーラ エ アンーレ ア・ピーディ。
だったら車は(それは置いて徒歩でゆく方が(都合が)よい。

)非人称的表現
漠然とした主語として「一般的にひとは」などの意を表現するときは、si を利用する。
ふつう、この si は動詞の3人称単数形との組み合わせになり、先置される。
Si tratta di un furto?
シ・トッタ ディ・ウン・ルト
Does it concern a theft?
In autunno si mangia volentieri.
イン・アウトゥンノ シ・ンジャ ヴォレンティエ-リ。
秋には食欲が出る(ひとは進んで食事する)。

再帰動詞に関わる場合は、同音の重複を嫌って、非人称の主語 sici に変える。:
A Roma non ci si annoia mai.
ア・ーマ ノン・チ・シ アイア -イ。
(ひとは)ローマでは決して退屈することはない。
Non ci si accorge del tempo che passa.
ノン チ・シ アッルジェ デル・ンポ ケ・ッサ。
(ひとは)時が経つのに気づかない(ものだ)。




「私は〜したいのですが」という丁寧な言い方としての vorrei

もうすでに、4課の指示形容詞の項の例文として出ていたもの:

Vorrei vedere quelli orecchini di corallo.
ヴォイ・ヴェーレ クゥリ・オレッーニ ディ・コロ。
あの珊瑚のイヤリングを見たいのですが。

この vorrei は日常的には頻繁に用いられ、かつまた丁寧な言葉づかいなので、
我々が(例えば旅行中に)使うと、おおいに役に立つ。
それゆえ、このまま「理屈はぬきにして」「ヴォイ」と覚えてしまうのがよい。

Vorrei delle mele, per favore. - Quante ne vuole? - Un chilo. E vorrei anche due chili di arance e delle banane.
ヴォイ デレ・ーレ、ペルファヴォーレ。― ンテ・ネ ヴーレ? ―  ウン・ーロ。エ ヴォイ アンケ ドーエ・ーリ ディ・アンチェ エ デレ・バーネ。
お願いします、リンゴが欲しいのですが。― いくらお望みですか? ― 1キロ。それからオレンジを2キロとバナナも頂戴したい。


ちなみに、この丁寧な表現は文法上は条件法(後述する)。
英語(仮定法)の I'd like フランス語(条件法)の Je voudrai「ジュヴドゥ-」
ドイツ語(接続法)の ich möchte「イヒ ヒテ」に相応する。



Leonardo da Vinci,
Annunciazione
1472-475 circa
Galleria degli Uffizi, Firenze



ci の用法は、ここでまとめておくと、主に
1)私たちに(を)の意、2)そこに(英語の there) 、3)そのこと(それ)について。

)
Mamma, noi vogliamo le patate fritte! Perchè il cameriere non ce le porta?
ンマ、ノイ・ヴォッリーモ レ・パーテ フッテ! ペル イル・カメリーレ ノン・チェ・レ ルタ?
ママ、私たちはフライド・ポテトがほしい! なぜボーイさんは(私たちにそれらを)持って来てくれないの?
)
C'è qualcosa di fresco nel frigorifero ? - Ci sono delle birre e dei succhi di frutta.
チェ クアルーザ ディ・フスコ ネル・フリゴーフェロ? ― チノ デレ・レ エ・ディ・ッキ ディ・フッタ。
冷蔵庫には(何か)冷たいものが入っていますか? ― (そこには)ビールと果物ジュースが入っています。
) & )
Ci pensi tu? - Si, ci penso io. Ci vediamo li all'una.
チ ンシ トゥ-? ― シ、チ・ンソ・-オ。チ・ヴェディーモ・リ アーナ。
(そのことについては)君が世話をしてくれる? ― うん、段取りはぼくがする(そのことを配慮する)。(我々は)1時にそこで会うことにしよう。

ci
は直接補語 lo, la, li, le 代名詞 ne の前では ce となる: ce l'ho, ce n'è, ce ne sono など。


そのほか冗語 (il pleonasmo)ci というのもある:

Hai un giornale per il viaggio? - Si, ce l'ho.
-イゥン・ジョルーレ ペリル ヴィッジョ? ― シ、チェ・ロ。
旅行のための新聞を持ってる? ― うん、持っている。
Ha una sigaretta? - No, non ce lh'o.
ア・ウナ・シガッタ? ― ノ、ノン・チェ・ロ。
タバコをお持ちですか? ― いえ、持っていません。
Da lontano non ci vedo bene.
ダ・ロンーノ ノン・チ ヴェード ーネ。
遠くからだと(私は)よく見えない。

この場合の ci は話し言葉でよく習慣的に用いられるようだが、とくに意味はもっていない。

また、すぐ前で見たように、(再帰代名詞の si の前では)ci が「非人称の si の代わり」に使われる。







M.L.M.M. significa: Movimento di liberazione dei Mariti Maltrattati.
メ・レ・メ・メ シフィカ: モヴィント ディ・リベラツィーネ デイ・マーティ マルトゥラッターティ。

Mi hanno detto che lo scopo dell'Associazione è la difesa dei mariti oppressi da mogli aggressive.
ミ・アンノ ット ケ ロ・スーポ デルラッソチャツィーネ エ ラ・ディフェーザ デイ マーティ オップッシ ダ ッリ アッグッシーヴェ。

Guarda, qui ho una fotografia: due militanti del Movimento sotto un cartello che dice:
ルダ、クゥ オ ーナ・フォトグラフィーア: ドゥーエ ミリンティ デル・ヴィメント ット ウン・カルルロ ケ ディーチェ:

- SIAMO UOMINI E NON DOMESTICHE -
 ― シーモ・ウーミニ エ ノン・ド−スティケ ―

significare (to mean), marito (husband), maltrattare (虐待する) , lo scopo (the purpose), moglie (wife), guardare (to look),
sotto (under), cartello (
プラカード、横断幕) , uomo (人間、男), domesitica (maid, servant)

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