セスタ・レツィーネ




Il passato prossimo (イ・パッート プッシモ)

イタリア語においては、前課で僅かに触れたが、完了形(近過去)は助動詞 avere か essere と過去分詞で構成される。
規則動詞の過去分詞にはなんの難かしさもない。

なお、英語の完了形と異なり、イタリア語の近過去は、「話しことば」において、過去のことを表現する場合に、普通に使用される。
過去を示す副詞(例えば「昨日」)があっても構わない。

parlare
パルラーレ
andare
アンダーレ
(io)
(tu)
(lui / lei)
(noi)
(voi)
(loro)
ho parlato
hai parlato
ha parlato
abbiamo parlato
avete parlato
hanno parlato
オ パルート
アイ パルート
ア パルート
アッビーモ パルート
ヴェーテ パルート
ンノ パルート
sono andato/a
sei andat
o/a
è andat
o/a
siamo andat
i/e
siete andat
i/e
sono andat
i/e
ソーノ  アンート/タ
セイ アンート/タ
エ アンート/タ
ーモ アンーティ/テ
ーテ アンーティ/テ
ーノ アンーティ/テ

この表は第1のタイプの動詞 (parlare, andare) の例だが、
第2のタイプ (conoscere)、第3のタイプの動詞 (partire) においても構成は同じである:
ho conosciuto; sono partito など。

 助動詞は (avere) か、あるいは (essere) の問題:

他動詞はすべて完了形を作る場合の助動詞として (avere) を用い、自動詞の場合は、状態や移動を表すものは概して (essere) を用いる。
この使い分けはフランス語の複合過去 (passè composè) の場合とほぼ共通である。
ゲルマン系のドイツ語においても、この使い分けをしている。
しかし、統一化の傾向の強い英語においては、 (have) に統合された(少なくとも標準語としては)。

上の表の例では、andarepartire は「移動」を示す自動詞であり、
下の表の essere は「状態」を表す自動詞ゆえ、完了の助動詞は essere ということになる。
その他は avere を使用。

注意点としては、
助動詞 essere が使用される場合、過去分詞は主語と(性と数を)一致させなければならない。

助動詞 avere か essere との完了形の表:

avere(アヴェーレ)
essereッセレ)
(io)
(tu)
(lui / lei)
(noi)
(voi)
(loro)
ho avuto
hai avuto
ha avuto
abbiamo avuto
avete avuto
hanno avuto
sono stato/a
sei stat
o/a
è stat
o/a
siamo stat
i/e
siete stat
i/e
sono stat
i/e

avere
の過去分詞は avuto(アート)、essere の過去分詞は stato(スート)。


次に文章としてのサンプルを2つ。

Sei andata in ospedale stamattina? - Sì, come al soloito, e prima ho accompagnato i bambini a scuola.
イ アンータ イノスペーレ スタマッティーナ? ― ーメ アル・ーリト、エ プーマ オ アッコンパニャート イ・バンーニ ア・スクーラ。
けさは病院へ行ったの? ― ええ、いつものように、まずは子供たちを学校まで送ったわ。
注:andare は移動を示す自動詞、女性ふたりの会話、accompagnare は他動詞

E chi è venuto? - Sono venuti Chiara e Marcello.
エ キエ ヴェート? ― ーノ ヴェーティ キーラ エ マルチェロ。
それで来たのはだれですか? ― キアーラとマルチェロが来ました。
注:venire も移動を示す自動詞、やって来たのは二人!



 注意
volere(〜を欲する)、potere(〜できる)、dovere(〜しなければならない)が用いられている場合、
その完了形(近過去)は、後に続く不定詞と同じ助動詞を使用する。

Ho dovuto prendere il treno.
Sono dovuto partire.
オ ドート プンデレ イ・トーノ。 ーノ ドート パルティーレ。
私は(男性)その列車に乗らなければならなかった。 私は(男性)出発しなければならなかった。

その不定詞が essere をとるものの場合は、やはり「主語と性数の一致」に注意すること!

È arrivata.
È potuta arrivare.
エ アヴァータ。 エ ポトゥータ アヴァーレ。
彼女は到着した。 彼女は到着することができた。
Siamo venuti. Siamo potuti venire.
ーモ ヴェーティ。 ーモ ポトゥーティ ヴェニーレ。
私たちは到着した(来た)。
(男性、または男女のグループ)
私たちは来ることができた。
Sono partite. Sono potute partire.
ーノ パルティーテ。 ーノ ポトゥーテ パルティーレ。
彼女たちは出発した。 彼女たちは出発することができた。



完了形において、直接補語が動詞の前にある場合、過去分詞をその性数に一致させる必要がある。

Hai visto Carlo? - Si, l'ho visto ieri.
cf.
Hai visto Angela? - Si, l'ho vista.
アイ・ヴィスト カルロ? ―  シ、ロ・ヴィスト イェーリ。 アイ・ヴィスト ンジェラ? ― シ、ロ・ヴィスタ。
カルロに会った? ― うん、きのう会った。 アンジェラに会った? ― うん、きのう会った。

(なお冠詞に関してアポストフィは複数では用いない。)

Ha preso i biglietti? - Si, li ho presi ieri.
ア・プーゾ イ・ビッtィ? ― シ、リ・オ プーズィ イェーリ
チケットを受け取りましたか? ― ええ、きのう(それらを)受け取りました。
Conosci le mie amiche? - Si, le ho conosciute l'anno scorso.
ーシ レ・ミエ・アーケ? ― シ、レ・オ コノシューテ ンノ・スルソ。
ぼくの友だちを知っているか? ― うん、彼らとは去年 知り合った。


 ne の場合も、過去分詞を一致させなければならない。ne は 「di+名詞」や「部分冠詞+名詞」の代わり。

Hai visto molte città italiane? - No, ne ho vista una sola.
cf.
Hai visto molti film di Fellini? - No, ne ho visto uno solo.
アイ・ヴィスト ルテ・ッタ イタリーネ?
― ノ、 ネ・オ ヴィスタ ーナ・ーラ。 
アイ・ヴィスト ルティ・フィルム ディ・フェーニ?
― ノ、ネ・オ ヴィスト ーノ・ーロ。
イタリアの都市をたくさん見たの? ― いや、ひとつしか見ていない。 フェルリーニの映画はたくさん見た? ― いや、ひとつだけ。
Signore, ha fatto delle fotografie? - Si, ne ho fatte molte.
ニョーレ、ア ファット デレ フォトグラフィーエ? ― シ、ネオ ファッテ ルテ。
写真はお撮りになりましたか? ― ええ、たくさん撮りました。

Ho messo il portafogli nella borsa nera, e poi l'ho lasciata sul letto e ne ho presa un'altra...
オ・ッソ イ・ポルタフォッリ ネラ・ルサ ーラ、エ イ ロ・ラッシャータ スット エ ネ・オ レーザ ウンルトラ . . .
私は財布を黒のハンドバッグ入れ、それからそれをベッドの上に置き忘れて、そして別のバッグを手にした . . .







 tuLei

In italiano si dà del tu ad un amico, ma si dà del Lei ad una persona che non si conosche.
・イタリーノ シ ダ デトゥ アドゥ・ナーコ、マ シ・ダ デイ アドゥ・ナ・ ぺルーナ ケ・ノン シ コーシェ。
イタリア語では友だちには(親称の) tu という呼び方をするが、知ってないひとにたいしては(敬称の) Lei を用いる。

なお、che は(ここでは)関係代名詞。


nessuno (英 nobody, no one)

Non c'e nessuno. Nessuno viene stasera.
ノン・チェ ネッーノ。 ネッーノ ヴィーネ スターラ。
だれもいませんよ。 今晩だれも来ません。

形容詞 (not any) として用いられるときは不定冠詞と同じ語尾変化になる。

Non ho nessun impegno.
ノン・ノ ッス インーニョ。
私は何の用事(約束)もありません。



Giotto di Bondone,
particolare dell
Compianto sul Christo morto
1304-1306
Cappella degli Scrovegni, Padova






ローマ数字 (i numeri romani: イ・ーメリ・ローニ) の表し方:

ローマ数字
ローマ数字
ローマ数字
24 XXIV
1 I i 10 X x 100 C c 42 XLII
2 II ii 11 XI xi 200 CC cc 99 XCIX
3 III iii 14 XIV xiv 400 CD cd 498 CDXCVIII
4 IV iv 19 XIX xix 500 D d 1500
MD
5 V v 20 XX xx 600 DC dc 1612 MDCXII
6 VI vi 40 XL xl 900 CM cm 1887 MDCCCLXXXVII
7 VII vii 50 L l 1000 M m 1945 MCMXLV
8 VIII viii 60 LX lx 2000 MM mm 1999 MCMXCIX
9 IX ix 90 XC xc 3000 MMM mmm 3999 MMMCMXCIX

次のような表現に注意されたし! 
IV (4 = 5-1), IX (9 = 10-1), XL (40 = 50-10), XC (90 = 100-10), XCIX (99 = 100-10+10-1) など。


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