'09年・スペインに憑かれて >>
08-1.<< 8/10(月)セバスティアンからビルバオ >>(2)
(continued)
荷物だけ預かってもらうことにした。

ついでに、手洗いを借りようとしたら、6階とのこと。

エレベータを二つ乗り継いで上がってゆくも、

6階には、左右にひとつづつドアがあり、両方とも鍵が掛かっている。

ひとつ下の階に下りてみると、下働きの兄ちゃんがいた。

何とか用件を伝えようと、ごたまぜの言葉で話しかけてみた。

「フランス語が少しわかる」と言う。

こちらのフランス語もおぼつかないものだが、何とか意は通じた。

が、「自分の持ち場を離れるわけにはゆかない、自分の分限でもない」ようで、

フロントに電話をかけ、受話器をこちらに渡し、「あなたが用件を話してくれ」と言う。

フロントは「まちがいなく6階に行ったのか」と、階数のことで念を押し、

「もう一度上がってみてくれ」と言う。

ふたたび上がってはみたが、開かないものは開かない。

呆れて、「ぜひとも用を足したい」というわけでもないゆえ、

地階まで降りて、フロントの脇を通り、外へ出ようとすると、

「トアレッテはわかったか」などとぬかす。

「右も左もドアは開かない」と言うと、ひとり(若い女性)が、

「それでは私がいっしょに行きます」というので、(これで三度目)上がった。

当の6階で、彼女も、われわれと同様、右側のドアも左側のドアも開けられない。

ドンドンドンとノックをしても応答はない。

手持ちのカギ束のひとつでガチャガチャやってたが、びくともしない。

と、誰かの名前を大声で呼び始めた。やはり反応はない。

こんどはケータイを取り出して、何か連絡をしている。

しばらくしてようやく、左手の内側からドアが開いた。

そこは屋根裏部屋風だが、割と広く(翌朝はここで朝食をとった)、

その左奥が手洗いになっていた。

いやはや、トイレひとつでおおごとだった。

アバンド駅(レンフェの駅)を確かめに行く。

その途中、イングレスの袋を持っている若い奥さんが目に入った。

声をかけて、場所を聞いておく。

ビルバオの町は思ったよりも大きい。

また、とくに何もない町かと想像していたのだが、意外に見るところがある。
〜〜〜〜
今回は宿への道順を聞く回数が、去年までよりもだんぶん減った。

インターネットの地図の検索で、あらかじめ道順を調べてきたことが、

多少の位置のズレはあったけれども、大いに役に立った。
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