'06年・スペイン彷徨
01.<< 8/3(木) フランクフルトで乗り換え、マドリッドへ >>
成田発9:55 のルフトハンザでフランクフルトへ向かう。

機内食はよかった。とりわけビール、そしてワインもよかった。

スチュワードに乗り換え便のことを聞いたが、

「スペイン航空との関係はあまりよくない」とか、

「ヤルとはきちんと提携している(JALとは提携してないはず)」とか、言う。

まあ、適当に聞いておく。

フランクフルトには予定より、30分早く、14時に到着。

が、早く着き過ぎたためか、まだゲートが塞がっていて、バスでターミナルへ運ばれる。

入国検査の際に、

前の人の用が終わらないうち、順番待ちのラインを(うっかりして)越えてしまった。

それで、係員にパスポートを出したとき、

「並び方が悪いとか、何とかかんとか」と、若い係官に、文句を付けられる。

「何か列を守らないとか、具合の悪いことをしたというのですか?」

それでもあれこれまくしたててくる。

「あなたが何を言おうとしているのかわからない、それでは私はどうすればよいのか?」

それでもなお、何かぶつくさ言って、

「それではいいから通れ」、ときた。

杓子定規のドイツ人官吏の、典型的な悪い見本だ。

次の、乗り換え便のための手荷物検査の際には、

家内のバックに入れていた、数本の食卓ナイフを、取り上げられた。

が、そのうちの一本だけは、幸い、没収を免れた。

われわれは、ほぼ毎日、サルチチョン(サラミ)を買って食べる予定だが、

食卓ナイフは、この乾燥ソシソンを切り分けるのに、欠かせない道具だ。
〜〜〜〜
スペイン航空の機の離陸まで、あと2時間ある。

待合室で、スペイン航空はスペインネアかと思って、綴りをよく見たら、Spanair、とある。

向いの席で新聞を読んでいる兄ちゃんに聞いたら、スパニェーアという発音の由。

飛行は2時間半、軽食が出た。

サンドイッチだが、厚ぼったいハムを挟めたものと、同じくぶ厚いチーズをはさんだもので、

なかなかいい味だった。

着陸姿勢に入る。地べたが黄色く見える。

マドリッド・バラハス空港では、

シェンゲン協定(Schengen agreement) により、何の検査もなし。

あまりに簡単すぎて拍子抜けする。

手荷物(の受け取り)の表示の方向へ歩き、

乗ってきた便名が電光掲示されているターンテーブルの脇で待つ。

合間に、出口の所にいた案内係りのおばさんに、メトロの乗り場への行き方を聞いておく。

10分ほど待ち、荷物が出始めた。

連れ二人の荷物を、成田から「通し」で預けてあるのだが、なかなか出てこない。

待つことしばし、やっと出てきた。これでひと安心。
〜〜〜〜
メトロの改札の手前の自動販売機でメトロブス(10回券)を購入し、構内に入る。

この券はかなり割安で(1回券は1)、10回分で 6.15。
改札のバーを過ぎてから、次の人に渡すことで、何人にも使える。

ホームで、近くにいたオバサンに行き先を言い、
方向を確かめ、8号線の電車に乗り込む。

乗ってから、さきほどのオバサンは、路線図を広げて、隣の席の人と話を交わし、

それからこちらに話し掛けてきた。

こちとらは、まず Nuevos Ministerios まで行き、そこで乗り換えるつもりでいたのだが、

「オバサンは、『8号線は途中の何とか駅から先は工事中なので、

ミニステリオスに行くには、バスに乗り換えなければならない、

地下鉄の切符が使える』という内容のことを言っている」と、何とか理解した。

バスは困る。

以前、パリで、同じようなメトロの工事で、

代替バスに乗らざるを得ないことがあったが、

乗り換えるときにも、降りるときにも、えらく面倒な思いをした。

第一に、乗り場がわかりずらい。

次に、降りるとき、車内放送がないので、どこのバス停で降りるのか、見当がつけにくい。

バスはこりごりだ。
上は、後に、メトロの窓口で手に入れた路線図の1部分
(8号線は、点線の箇所が工事中だった)
「途中のマール・デ・クリスタルで、4号線に乗り換える方法は、可能かどうか?」

繰り返し聞いて、よく確かめてから、

4号線に乗り換え、Avda. de Améica で環状線(6号線)に乗り換え、

何とか目的の駅コンデ・デ・カサルに着く。

ここでまた出口の方向をふたり連れの中高年のオバサンに聞いて、外に出た。
〜〜〜〜
ホテルは交差点を挟んで、目の前。わりと大きい。

フロントで名乗るも、係の若い女性は、怪訝な顔をして、

「泊まるホテルを間違えているのではないか、名簿に載っていない、」

というようなことを言う。

このホテルは、予約の際に、コンファームのメール、

その確認の催促のメールを送っても、「ナシのつぶて」だったところで、

場合によっては、こういうことを抜かすのではないか、と予想はしていた。

それで、英仏語まぜこぜで、

「こちらのホテルに E-メールで予約をし、返事のメールをもらい、

折り返し、コンファームのメールでクレジットカード番号などを知らせた。

返事が来ないので、催促のメールも送った云々」と、

こういうときのために持参した、証拠のメール3枚を、カウンターに拡げた。

女はそれを見て、他のもうひとりの男と、困ったような顔をして、相談をし始めた。

その後、電話で、どこかと連絡を取り、しばらくして、やっとのこと、

「トリプルはあるのだけれども、何とかかんとか」、と細かいことを言う。

それが何のことを言っているのかわからない。

「ともかく、3人のためのベットがある部屋は、あるのかないのか」、と言うと、

「ある」、と言う。

「ただし、ひとつのベットが Extra なのだけれども」、ということだった。

「それで構わない、OKだ。」

やっと、埒が空く。

部屋は 302 だと言う。

ボーイが案内し、エレベーターで5階(6階)のボタンを押す。

「302が5階か」、と聞くと、

「まちがいだ」、とフロントがよこした紙の部屋番号を訂正する。

バスの鍵は壊れていて、家内が入って閉めたら、出られなくなった。

もういっぺんガチャガチャやって、何とか開けた。

これは、半端な閉め方にしておけばよかろう。

ともかく、これでやっと部屋に落ち着いた。

スペイン国内に、まずなんとか無事に入ったな、という感慨。
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