'04年・フランス漫歩の巻
00-2.旅行の手はず(suite)
予約を受け入れてくれたところへは、
あらかじめ作っておいたコンファームの雛形に、ホテル名と相手の条件とをコピィ&ペイストし、
宿泊条件は承知した旨を、パパッと打ち込んで、それを送った。
大抵のところは、こんな具合に、簡単に片付けたのだが、
あるホテルが、
「どんな交通手段を使って来るのか ?  到着は何時か ?
われわれのホテルのことをどうやって知ったのか ?
われわれのインターネットのサイトを見てみたいと思ったか ?
と、あれこれの質問まで付け加えて、送ってきた。
面倒だから、そんなことにはいちいち取り合わないで、ただコンファームするだけでもよかったのだが、
それも大人気ない?かと、少し気にして、
そのホテル宛にだけ、いささか手間取って、質問に答える返事を書いた。
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去年のイタリア行きのときもそうだったが、
今回も、送った文面をあとでつらつら眺めていると、
あちらこちらに、間違いが見つかる。
文法的な誤りは、もちろんのこと、綴りもやたら間違えている。
綴りについて言えば、フランス語の語末の子音がたいてい発音されないのが、
いざ書く時には障害になって、つい、子音を抜かしてしまっている。
〜〜〜〜
もう出発の前々日というときに、ボルドーからファックスが来た。
「6月30日付けのあなたのリクエスト(8月16日から18日まで)に関して、
予約についての通知をいただければありがたい。
この期間はほんとうにたくさんの申し込みがあります、
それであなたがコンファームなさる気かどうかを知りたい。」
というものだった。
ホテルの確保は済んだものとばかり思っていたが、
どうもこのホテルの分が抜けていたということだ。
急いでコンファームの文面を作り、e-mailで送り、念を押して、ファックスでも送った。
翌朝、ファックスで、返事が来ていた。
〜〜〜〜
少し話を変えて、「書簡の結びの表現」をどうするか、ということについて。
たとえば、イタリア語では、Le porgo distinti saluti ( I send you my best regards ) か、
ふつうは、それを約めて、Distinti Saluti, Cordiali saluti, ぐらいでよさそうだし、
ドイツ語も、Mit freundlichen Grüßen, とか Mit besten Grüßen. と書くか、
簡潔に Viele Grüße でもいいはずである。
英語なら、Yours faithfully, とか Sincerely yours, とか Best regards, で済ませられる、と思う。
ところが、小生が利用したフランス語の独習書("le français sans paine", ASSiMiL, 1998)に、
「ある男が、ある会社の求人広告を見て、そこに応募し、その会社から、面接の通知が来る、」
その際の手紙のやりとりが載っている。
それを見ると、その両者の書簡の末尾の表現が、どうも長ったらしい。
たとえば、
Dans cette attente, nous vous prions d'agréer, Monscieur, l'expression de nos sentiments distingués.
(逐語訳は、「このことをお待ちしつつ、私たちはあなたに、ムッシュー、

私たちの気品のある好意の表現を受け入れてくださることを、懇願いたします」)
などと、締めくくっている。
それでも、 "Andere Länder, andere Sitten."「国が異なれば、風習も異なる」というから、
この結びの表現が、形式ばっているのか、あるいは日常的な普通の表現なのか、については定かでないが、
ともかく「ものは試し」、これに倣うことにした。
そして、ホテルに宛てたファックスやメールの末尾に、
Dans l'attente de votre confirmation (par e-mail ou fax), je vous prie d'agréer, Madame, Monsieur, mes sentiments distingués,
と書いて、送った。
すると、
送られて来た返事のなかには、Cordialement, とか Sincéres salutations. と、インターナショナルな「短い結び」のものもあったけれども、
ほかは、
Dans l'attente de vous lire, nous vous prions de croire, Monsieur, en l'assurance de nos salutations les meilleures.
とか、
あるいは、
等々と、なっていた。
自分で返事を受け取ってみれば、こういうのがフランスの慣用語なのか、と納得できる。
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