'10年・シチリアとプ−リアへの旅 >>
16-1.<< 8/17(火)ナーポリからレッチェ >>
朝7時に食堂へゆく。

ちょっと後、子供4人を伴った、同邦の夫妻が入ってきた。いささか騒がしい。

子供のひとりが取り皿を落として、割った。

奥さんの金切り声がひびく。ご亭主は音無し。


ナーポリ8時30分発のカゼルタ行き。カゼルタが終点のはず(とは思い込みか?)。

カゼルタという駅名が見えた。

ここで乗り換え、と降りたのだが、どういうわけか、乗り込んでくる客もいる。

怪訝な思いでホームに降り立つと、乗ってきた電車は動きだし、去って行った。

「早まって、ひとつ前の、カゼルタの町の別な駅に降りてしまったか?」

少し慌てて駅舎の方へ行き、居合わせた警官に聞くと

「ここはカゼルタだ」

電光掲示を見る。これから乗る予定のエウロスターの表示がきちんと出ている。

時間も列車番号も合っている。

これで一安心。いやはや驚かされた。

待合室を早めに出て、1番線のホームに立つ。

まだ到着予定時刻より10分以上も前なのに、もうエウロスターが入ってくる。

またここでも、駅員に、こちらが乗る予定の E-Star かどうかを確かめた。

ボックス席だった。向いには、オバさん同士がふたり。二人はフォッジャで降りる。

それ以後は、ゆうゆうと足を伸ばし、快適な旅となる。

窓から眺めていると、豊かな農業地域の感じがする。緑が多い。そして平地。

バーリそしてブリンディシを過ぎる。このあたりは、オリーヴの木が続く。

木の背丈は切り詰めてあるが、年代物の太い幹も目立つ。

レッチェ駅に到着した。
〜〜〜〜
宿は、Google italiano で検索し、見つけた。

駅のすぐ近くということで選んだB&B

一泊ふたりで65ユーロ。今回の宿では一番安い。

角地に建っているので、場所はすぐさまわかったのだけれども、

はてさて、入り口がわからない。

歩道の端に立って建物を眺めた。

右(北)と左(東)に頑丈な門扉(大げさに言えば、城門みたいな)見える。

それが、ぴったり閉まっていて、びくともしない。何の気配もない。

家内は「つぶれたんじゃないの」などと言う。

左側の門扉に近付き、落着いて上下左右を見回すと、

その大きな扉に、人の出入り用とおぼしきドアも付けてある。

そして右脇の石壁には、インタフォンらしきものが三つ、縦に並んでいた。

上のふたつを押してみたが、反応がない。

三つ目を押したら、やっと、内容が聞き取れないが

「何とか、かんとか」と応答があった。

こちらの名を告げると「どうぞ」の声と共に、ジーと音がしたので、

人の出入り用の扉を押す。今度は開いた。

なかは、がらんどうの広間になっていた。ただ、車が一台、置いてある。

これの出入りには大門を開けるのだろう。

脇に幅の広い石の階段がある。それを上がって2階へ。

ドアが開いていて、入ると、そこがフロント。

といっても木製の大きめのテーブルがひとつあるだけ。

係りは若い女の人。奥さんのようだ。脇に2、3歳の女の子がいる。

部屋を案内してもらった。簡素だが、こざっぱりしていて、悪くはない。

三つ並びのカギをもらう。部屋と2階の入り口と下の出入り口のカギとのこと。

わりと静かな環境だ。ほかにも客はけっこういた。
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