'10年・シチリアとプ−リアへの旅 >>
12-1.<< 8/13(金)パレルモからメッシーナ >>
9時に支払いを済ませ、出発。駅前の店で、アランチーノを買う。

「ローマ・テルミニ行きのインタシティは5番線」と電光掲示に出ている。

ホームに行くと、5番線に列車が入っているが、車輛番号がない。

家内をホームに待たせて、車内に入ってみると、席にも番号が付いてない。

冷房も入っていない。

他のひともウロウロしている。そんなこんなをしているうちに、アナウンスがあったらしい。

が、聞き漏らした。

連れのところへゆくと、「ひとが移動している」ことを教えられる。

あらためて電光掲示を見にゆくと、いつのまにか、表示は6(番線)に変っていた。

ともかく、この6番線の列車には、きちんと車輛番号も付き、冷房も入っていた。

席は、一番前の車輛の、そのまた一番前のコンパートメントだった。


初め、1時間ほどは、われわれ二人だけ。テルミニで、ひとりの老人が乗り込んできた。

たえず口笛を吹いている。

次のチェファルーで降りた。

乗るときも、降りるときもきちんと挨拶をしていった。礼儀正しい。

今回の旅の車中、初めてくつろぐことができた。

ワインをちびちび飲みながら、アランチーノを味わう。今までので一番おいしい。

次のつぎの駅だったか、中年の男性が、右前の乗車口から乗る。

挨拶をして入って来て、通路側の席にすいと坐る。

新聞を広げ、読みふけっている。「鉄道員だな」と思った。

その次の駅で、30前後の半ズボンにシャツの男性が、大柄なひとだが、

大きな荷物をフラフラしながら棚に載せる。

よほど重たい。鉄道員とおぼしき人が

「その荷物はあぶないからどうのこうの」と注意をしている。

たしかに列車が揺れて、その荷物がずれ、落ちたりしたら、おおごとだ。

言われた男はしきりに気にして、ときどき直している。

メッシーナに着いたら、かの鉄道員、われわれに

「ボンジョルノ、アリヴェデルチ!」と言って降りて行った。

そのあと、こちらも真似て、残りの客(ひとり)に、

同じ言い方で挨拶をし、列車を降りた。


すぐに駅前の観光案内所へゆき、地図をもらう。

メッシーナは昨日からお祭りのはず、そのことを聞くと、

地図に蛍光ペンで行列のコースを書き入れながら、愛想よく丁寧に説明してくれた。

トラムの軌道に沿って歩き、ホテルの方向へ。

すぐに見つかる。第一印象では、合格点。

荷物を置いて外に出る。

さきほど来る途中、スーパーの袋を両手にぶらさげた二人連れを見かけた。

その方向へぶらぶらと。

兄ちゃんが、シエスタで店を閉め、オートバイに跨がった

こういうひとは町内のことに詳しい。

声をかけ「近間に大きなスーパーはあるか」と聞くと、

「二つ目の角を左に、前に大きな建物が見える。衣類の店は閉じているが、

右に回るとスーパーの入り口がある。

そこを地下へ下る」とのこと。

まさしくその通りだった。まずまずの大きさの店。

ワインが棚に並んでいたが、安物ばかり。いちおう店員に尋ねてみたが、

「ジェヌイーノ(天然醸造)は置いてない」

やめにして、ビール(だいたい 500cc 1.1€330cc 0.95)、

果物、ピクルスなどを購入する。


埠頭へ行ってみた。気持ちのよい風。景色もよい。

ホテルへ戻り、食事にする。

パレルモで買った乾燥サラミを切ってみる。えらく堅い。

切るのがおおごと。が、味は抜群。

かの小店の品はまともだった。


さきほど、フロントで、

「祭りの行列は6時半。ホテルの先の信号のところの道を通る」と教えられた。

6時過ぎ、言われた場所にゆき、そこで見かけたおばさん連れに聞くと

「今日はない。行列は明日の7時ごろ。この先 100m のところを通る」との話。

ホテルに引き揚げる。
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