'10年・シチリアとプ−リアへの旅 >>
04-1.<< 8/5(木)シラクーザ、靴の分裂 >>
夜中は、まわりの部屋の音は皆無、じつに静かだった。

朝食はここも8時から、そしてやはりハム類はなし。がコーヒィは良。

とつぜん、連れが、「靴が分解した」ことを打ち明ける。

見ると、両方の靴の、甲と底の継ぎ目の部分が、内側も外側も、割れて口が開いている。

これはたまげた。

こんな靴でよくも、きのう、駅からこのホテルまでの長丁場を歩いてきたものだ。

靴屋が見つかれば、運動靴でも買うつもりで出かける。

アポロ神殿の手前(北)にメルカートがあった。

通りを(北北東へ)ぶらつきながら、リンゴとトマトを仕入れる。

さらに先、浜の方へ向かう。と、市場の端で、靴を並べているテントがある。

そこのおやじに「妻のためのスポーツの靴のようなものを買いたい」と言うと、

少し先の通りの角を指差して「あの店へ行ってくれ」

言われたとおり行くと、小さめだがまともな店構えの靴屋があった。

「サイズは」と聞くので、「38」と言うと、

奥に引っ込んで、しばし後に、

黒いスエードのウォーキングシューズのようなものを捜し出してきた。

やや流行遅れ風な靴だったが、そんなことはこのさい問題でない。

サイズは連れの足にぴったしだった。破れた靴は「棄ててくれ」とあずける。
〜〜〜〜
旧市街の細い道をくねくねと歩く。

途中で、いつものことながら、

何度もひとに道を聞きつつ、歩く。

ドゥオーモに出た。

この近くに、インフォがあるはずなので、

居合わせた警官に聞く。

しかし言われた通り行っても、

見つからない。

手当りしだいに、

見かけた地元のひと何人もに聞いたが、

まるで方向違いを教えるひともあり、

界隈を行ったり来たり、

何べんも往復した。

最後に、若い女のひとが

「そこの突き当たりを左へ、

そしてすぐ、アーチの下へ」と言う。

from "Siracusa, la città di Archimede";
Servizio Turistico Resionale di Siracusa
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© Grafia Saturnia / Sirasusa
その目の前に来たが、それでもまだわからない。

通りかかったお年寄りに聞くと

「付いて来てくれ」と、アーチを潜り、

広い屋敷の庭のようなところへ入ってゆく。入って右手へ向かう。

と、そこに、目の前にしても、ぜんぜん判別できないような

インフォメーションがあった。

表示もとくにない。

何ゆえに、このような、

旅行者にはぜったいに見つからないようにしてあるのか ¡?!

ドゥオーモの角で、上品な店構えの総菜屋を見つけ、

アランチーノをふたつ(ふたつだからアランチーニか)買い求める。

西の端までゆくと、ころあいのベンチがあり、そこでお昼にする。


それから、南へ下る。南端の岬はカステッロ、その手前で道は左に折れる。

こんどは島の東側の端の道を北上する。

中ほどまで上がってから、適当に、西へ折れて、小路に入り、

ふたたびドゥオーモの脇を通って、北へ向かう。

その途中、ワイン屋を見つけた。シラクーザ産の白を買い求める。

マルチパンもおいてあったので、買ってみた

(日本まで持ち帰ったが、味は並み以下であった)。

さらに行くと、小さなスーパーがあり、缶ビールが手に入る。

この缶ビールがイタリアではなかなか手に入らない。

小店はたいていビンのものだけ。

おいしそうなピッツァを置いている店があった。それもひとつ。


2時前には、宿に帰る。

これが今回の旅行の、平均的な一日の行動パターン。

気持ちが落着いできた。やっと心身が休まったという感じだ。

昨日は災難の一日だったが。

きょう仕入れたものを味わう。

シラクーザ産の白は上等。酸味が強く、なかなかよい味。ピッツァもよし。
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