'09年・スペインに憑かれて >>
18-2.<< 8/20-21(木-金)ミュンヒェン経由で成田へ >>(2)
(continuación y fin)
バルセローナからミュンヒェンの便で、ステュワーデスに「赤ワインとビールをもらいたい」と言うと、

「ワインとは、ビールよりも水が合います」などと抜かす。―「いや、私は水よりもビールの方がよい」

どちらもおいしい。どこかの国の航空会社のものとは、正直、格段に違う。

3人掛けの席だった。窓側の席には、すこし年嵩の行った女子学生風のひとが坐っている。

独西・西独のミニ辞書を頼りに、本に書き込みをしながら、読み続けている。

そしてワインと水を交互に飲みながら。これで勉強ができるのかな。

ミュンヒェン空港では、2度ほど方向を聞いたが、フランクフルトに比べればわかりやすい。
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免税店で、

リューベッカー・マルチパンを数箱、買う。

ワインも探したが、一軒目には安物しかない。

二軒目には、まずまずのものが揃っていたので、

ドイツのワイン(カビネットとシュペートレーゼ)、

それにスペインの赤(リオハ)を二本。

スペインのは2本とも、ラベルに「グラン・レセルバ」とある。

どちらも20ユーロそこそこ。

それで「グラン」とは、

いったいどんな代物なのやら

(と、このときは思ったのだが、日本に帰ってから、そのうちの一本を飲む機会があった。

味はまちがいなく、単なるレセルバよりも上。本物だった)。
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ミュンヒェンでは、待ち時間1時間半で、成田行きに乗り換えた。

バルセローナのカウンターで貰ったチケットの座席番号を確認したら、

ミュンヒェン - 成田の便の座席が、26A26Cになっていた。

それで、席を「並び」にすることはできなかったのか、と思っていたのだが、

乗り込んでみると、機内前方の左側で、二人掛けの席だった。とてもよい席をあてがってくれていた。

この便でも赤ワインとビールを、昼食のときも朝食のときも、たしなんだ。

「赤はどこのものか」を聞いたら、「チリ」とのこと。意外においしい。

食事も、この帰りの便は、よかった。来る時のはまずかったが。

若いスチュワードが、後ろの席の客にイタリア語で話している。次に回って来たときに、

「何カ国語をしゃべるのか」を聞いた(ドイツ語でだが)。

「フランス語とイタリア語を少しだけだが、イタリアには大いに関心を持っている」とのこと。

「私の出身はミュンヒェンです」

「ミュンヒェンはヘルツ(ハート)を持った町だね」と言ったら、とても感激していた。

「ベルリンは、町としては、あまり良くないのではないか?」―「その通りです。都市の形がまとまっていない」

成田に着いた。コンベヤーの前で荷物が出て来るのを待っていると、少し離れた場所に、かの機内係の青年がいた。

荷物を受け取ってから、そばに寄り、ちょっと声をかけ、挨拶をして別れた。
(この巻、了)
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