'09年・スペインに憑かれて >>
18-1.<< 8/20-21(木-金)ミュンヒェン経由で成田へ >>(1)
ゆうべは、このホテルでの宿泊、延べにして4日目にして、

初めて「静かな隣人たち」であった。安眠できた。

楽しみにしていた「ハモン」はなし。残念。

サラミとチョリソーにする。きょうのコーヒィはうまい。

8時前にホテルを出る。メトロの入り口はすぐそば。

3号線のホームまでゆくと、電車が入っていた。

ベルが鳴っている。

さっと乗り込むが、途中でベルが止まり、止まった途端に、もうドアが閉じ始める。

連れ合いは、まだホームにいる。

こういう状況で、まだ高校生だった娘と、離ればなれになったことが、かつて、あった。

その経験上、とっさに、自分のからだ全体で、バックごと、わざとドアに挟まった。

サッと、大柄な青年が寄ってきて、グイとドアを開けてくれた。

開いているあいだに、家内も、ぶじに乗り込めた。

あぶないところだった。

サンツ駅に着いた。

レンフェの自動販売で買おうとするも、空港はどのゾーンかわからない。

脇にいた若い係員に「アエロポルトまでの切符を買いたい」旨を言うと、ただ指差して、

「そこの機械か、それとも向うの窓口で買え」と言う。

「機械で買えるはずなので、やり方を教えてくれ」と言うと、

そそくさと教えて、去ってしまう。

でも何とか切符は買えた。

こんどはオバサンの係員が目に入ったので、番線を聞く。

「9番線か、または10番線」

「電車の発車時間は?」―「わからない」― このひとはダメだ。

改札口を通る時に、その脇に立っていた駅員に聞いた。

この駅員のオジさんは「9番線、発車時間は8.39」と正確に教えてくれた。
〜〜〜〜
ホームで15分ほど待つ。

メトロはゆうゆう座れるほど空いていたが、エアポート行きの電車は満員だった。

通路に立っていると、向いの席に掛けていた中年の男性が席をゆずってくれる。

とその隣りにいた若い女性も、家内にゆずってくれる。

「そんなに年老いてはいないのです」それでも「いえ、どうぞ」

きのうも、メトロで、若いひとたちが、われわれに席をゆずってくれた。

われわれも老人の域に入ってしまったということか。

でも、親切がありがたい。

エアポート駅で降りると、すぐ前に係員がふたり並んでいる。
LHのターミナルを確かめる。

「ターミナル1、

そのシャトルバスに乗ってください」

と、すぐ脇に停まっているバスを示す。

最初に降り立ったときには大いに戸惑ったが、

事情がわかれば、ことはスムーズに運ぶ。

from: airport's new T1: Access plan
cf. <http://www.barcelona-airport.com/>
モニターに、LHの便は601-604のカウンター、と掲示が出ている。

列に並んで順番を待つ。われわれの番になる。

いかにもドイツ人らしく見えたので、ドイツ語を使ったのだが、果たしてそうであった。

「私は、日本語はコンニチワなど、単語を少し知っているだけ」

「私は、これまでいくつかの言語を試みたが、スペイン語はできない。難しい」

「席は、できれば通路(コリドーア)の側にしてください。」

と「ツーロガワですね。」

「フランクフルトで乗り換えですか」―「いやミュンヒェン」

手続きを進めながら、「言葉は、若いうちに覚えるといいですね」

「その通りだ。あなたのように若いときに習うべきだ。

私はもう年を取ったから、言葉の学習はやめた」

最後に、「よいご旅行を!」と言って、チケットを渡してよこした。

話好きなカウンターの係員と出会ったのは、

8年か9年前、フランクフルトの空港で(おネエちゃん)のとき以来のこと。
(Continuará)
< 前のページ