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10-1.<< 8/12(水)ビルバオからブルゴスの新駅へ >>
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アバンド駅で、特急アルビアに乗る前、アナウンスがあり、列に並ぶ。
年輩の太めのおばさんに「(お先に)どうぞ(シルブプレ)」と譲ると、
ニコッとして礼を言ってから、話しかけてきた。
「パリには数年のあいだ住んでいた。私はバスク語は少しもわからない。
あなたは方は観光で来たのか。どこから来たのか? おお、日本か?
日本語も難しい言葉で、私はわからない」などなど。
車内は乗客がまばらで、快適な旅。途中の分岐駅でかなり長く停車し、
5分ほど遅れてブルゴスに着く。
ところが、停まった駅のあたりの様子がおかしい。
インターネットの航空写真を見てきたが、そのイメージとはまるで違っている。
ここは町はずれの野っ原ではないか。駅名も「Burgos Rosa de Lima」とある。
ブルゴスのメインスティションに「ローサ・デ・リマ」という付けたりの名前はないはずだが。
さてどうしたものかと迷い、通路を挟んで隣のボックスの夫婦に聞いた。
と、「ここがブルゴス駅だ」
そう断言されて、慌てて荷物を持ち、ホームへ降りた。
降りてまもなく、列車はドアが閉まり、出発した。
駅員を見かけたので、この駅のことを聞くと、「ここはブルゴスの新しい駅だ」
「以前の駅はどうしたのか」―「閉鎖された」
これにはまったく驚いた。
「旧市街へはどうやって行くのか」―「この下へ降りて、バスで行け」
ともかくエスカレータで下へ降りる。
必要と思われる地図などを出したりして、用意を整えていると、
さきほどの駅員も降りてきた。「どのバスで、何時発なのか?」
「バスは毎時クワルト(15分、45分)発。
今なら11時45分発が来る。25番のバスだ。行く先はプラサ・エスパーニャ」
駅舎の外に出る。目の前がバス停のようで、他にも待っているひとが2、3人。
1台目が来たので、運ちゃんに聞いたら、「このバスは違う」
2台目のバスがスペイン広場ゆきだった。
乗ってから「カテドラールへは行くか?」―「おおよそ」
バスはだいたい西の方角に走り続ける。
どうも新しい駅は、町の東の外れのようだ。 20分ほどで広場に着いた。
離れた前の席のおばさん、そして隣の席のおじさんも、
手振り身振りで、「ここで降りるのだ」と教えてくれる。
カテドラールの方向を、何人ものひとに聞きながら、歩く。
「おおよそ」と言われたので、近いのかと思ったが、意外と距離がある。
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今回の旅で、
こんなに道をひとに聞いたのは
初めてのこと。
自分の居場所がわからないのだから、
人に聞かざるをえない。
さいわい、やがて尖塔が見えてきた。
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from: BURGOS - Patronato de Turismo
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きょうの宿は、このカテドラールのすぐ前、石段を少し登ったところにあった。
フロントのおばさんに、「これこれしかじかのルートでやっとここに辿り着いた」むねを言うと、
「バスは本数が少ない。
スペイン広場からの出発の時間も、ここではわからない。帰るときは、駅までタクシーで行った方がよい」
このおばさんもフランス語がわかる。
「タクシーは使いたくない。徒歩とバスで行きたい」と、このときは答えた。
荷物を置いて、外出する。もとのブルゴス駅のところまで、
あらかじめ予定していたコースを逆方向に、歩いて行ってみた。
と、まさしく、駅舎の全体が閉鎖されていた。
もはや今では使用されていないことは一目瞭然。
そこにちょうど若い兄ちゃんが歩いてきたので、声をかけて、尋ねた。
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スペイン語以外の語は
話さないひとだったので、
なかなか話が通じない。
やっと、
「この駅は昨年の12月に閉じられた」
ことがわかった。8か月前だ。
それでは、ガイドブックの類いに
一言も触れられていないことも、
むべなるかな。
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The city map above:
from: Baedekers Reisefüher, Spanien; 1992
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