'08年・ベネルクス回遊 >>
16-1.<< 8/19(火) ブリュッセルから北上、ロッテルダム >>
予定通り、7時半に食堂へ行った。

「選り取り」の食品は、きのう言われたとおり何も出ていない。

それでも、取りあえず席に着いて、さてフロントに言いにゆくかと、立ちかけた。

途端、ドアが開いて、昨日のフロント (30代の兄チャン)が現れる。

「コーヒィかティーか、エッグはどうか、チーズ食べますか?」

「カフェ・オ・レを二人分。オムレツもお願いします。チーズもほんの少し」

多少待ったが、十分な量の料理を持ってきてくれた。

焼きたてのベーコン&エッグズがとてもおいしい。チーズもたくさん持ってきた。

「われわれが早起きなため、迷惑をかけた」

「ぜんぜんそんなことはありません」と愛想がよい。

8時40分、支払いを済ませてから、ホテルを後にする。

駅まで、ほんの3、4分。番線の表示があるまで、ホールで待つ。

鉄道インフォメイションが近くにあったで、時刻表の冊子を数種類もらってくる。

我々の乗るのは9時19分のインターシティ。

「番線の表示がでるまで、もう少しか」と何気なくポケットに手を入れて、はたと気がついた。

部屋のカードキィ2枚が入っている。返すのを忘れた。

仮にそのままでもカードだから構わないのかもしれないが、まだ時間があるし、

近いところなので、返しにゆく。

往復して7、8分。戻ってきたときには、表示が出ていた。5番線。

ホームに行き、後尾の車両の位置で待つ。が、先頭の方がよいかと、思い直し、

ホームを移動する。シグナル板を手にした列車の運行係のひとがいた。

ロッテルダム経由アムステルダム行きのインターシティ (IC 9213)

19分発であることを確かめる。

もう少し先まで歩いて、先頭車両の停車する場所とおぼしきところで待つことにする。

しばし待って、もうとうに時間になったのに、予定のインターシティは来ない。

電光表示も出ない。表示されるのは、後発の InterRegio などばかり。

それらが次々に入って来ては出てゆく。
〜〜〜〜
さっきのオジさんが、いつのまにか、脇に立っている。聞いてみた。

「5分遅れだ」

しばし間をおいてから、「どこから来たのか」

唐突な質問なので、怪訝な顔をしていると、もういちど繰り返して、

「どこから来たのか」

「日本からだ」

「日本には数回、行ったことがある。名古屋から、高山そして

金沢(あるいは福井だったか?)まで走った。」

「ハシッタ?」

「そうだ」

「何日かかったのか?」

36時間」

念を押したが、同じ答えだった。

「山口へも行って、走った。萩はすばらしい。

走ったあとには、サケとかショーチュウを飲む、それが楽しみだ。」

他の国名をあれこれ挙げて、「どこへ行っても走った、そして走り終わったら飲む。」

「いつも走るための旅行か?」

「そうだ!」

「トレーニングは毎日どれぐらいしているのか?」

「毎日20キロメートル」(われわれ夫婦も毎日走っているが、3キロから4キロにすぎない)

「ところで、失礼だがトシはいくつか?」

56だ」

といったことを話して(聞いて)時間を過ごしたが、依然として列車の来る気配はない。

こちらは不安になって、話の合間に尋ねた。

と、「20分遅れだ」

「ほんとうに来るのか?」(つい先日の、マーストリヒトでの苦い経験がある)

「ほんとうだ、この5番線に20分遅れで入ってくる。心配ない。」
(à suivre)
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