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10-2.<< 8/12(土)グラナダから西走、セビーリャへ >>(2)
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(suite)
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セビーリャ・サンタ・フスタに着いた。
ホームは地下になっていて、大きな駅だった。
駅舎に上がって、駅員に方向を聞くが、
「この町のことはわからない、インフォで聞いてくれ。」
つい手間を惜しんで、案内には寄らずに、
「駅からは、右寄りに出て、南南西に向かえばよいはず」と、そのことを重々承知していて、
何をどう勘違いしたのか、方位も見ずに、西口から出て北へ向かってしまった。
少し歩いて、あたりがだだっ広く、閑散としていることが変に思えた。
どうも思い描いていた街路の様相とは異なる。
磁石を取り出して、見て、仰天した。まるで逆の方向に向かっていた。
近くの駐車場に、係りがいたので、尋ね、こちらの行き先を確認し、引き返した。 |
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駅舎の前、南側に広がる広場を見渡して、合点した。
これは想像通りであった。見当をつけて、南南西への道を下る。
通りを確認しようと思うが、いかんせん人がいない。
やっとバールのボーイが出て来たので、聞くが、説明が少しあやふやだ。
そのままもう少し先へゆくと、広い道と交差している。
そこで中年の地元民とおぼしき人に、その横切っている道の名前を聞く。
「ルイス・モントト通り(Calle de Luis Montoto)」。これで間違いない。
また少し行ってから、立ち話をしている初老の二人に聞く。
「まっすぐ行くとプエンテがある、そこを右へ行け。」
たしかに陸橋が見えたきた、が、
「まさかあれを、荷物を持って、登らなければならん、ということはないだろうな」
と思いつつ近づく。
手前までゆくと、品の良さ気なお婆さんが歩いて来る。
声をかけて、ホテルの名前を言って尋ねると、知っていた。
わざわざ角まで戻って、右手の、陸橋と平行な、下の道を指さし、
「まっすぐに、通りを横切って、また、ずっとまっすぐに」、と言う。
「そして、その先きで、右ですね」、と言うと。
「いや、トドレット(と聞こえる:todo recto、他の人の発音も、そうだった)」、
と念を押す。
言われた通りに、大通りを横切る。 |
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「横切ってから、ちょっとした広場まで、右手に3本の小路があり、
その3本目の小路(袋小路)に入って、突き当たり」、と予想して歩くが、
地図の表示がじつは概略で、右手に入る小路は何本もあり、どれか見当がつかない。
バールの兄チャンに声をかける。
が、この辺りのことはわからないらしい。さっと奥へ急ぎ、マスターに聞いている。
マスターが出て来て、何とかかんとかを右に、と言う。
その「何とか」がわからないが、ともかく、あと二つほど小路を飛ばして、
次に右に入ってみようとすると、こっちの様子を、かなたの店の前で見ていて、
そこは違うという身振りをする。
それでまた少し行き、ちょっと引き返したりもしたが、
何とか、ホテルへの入り口の標識を見つけた。
さっきのマスターはこのことを言っていたのかもしれない。
そして、奥まった、端から見てとてもホテルとは思えない、一角に辿り着く。
フロントも、やや古ぼけた屋敷の入口のようなドアから入ったところにあった。
ボーイが我々の荷物を持って、先導する。
まわりは、まるでアラブの邸宅をうかがわせるような雰囲気で、
そこを、右や左へ曲がったり、上がったり下がったりと、ずんずん奥まで入ってゆく。
この道順は、とても老境のわが頭には入らない。
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部屋に荷物を置いてから、
わが娘を先に歩かせて、フロントまで辿り着き、
そして、外に繰り出す。
町中(旧市街)も、入り組んだ迷路のような小道ばかり。
これはたいへんなものだ、と思えた、
が、このまま保存に努めているところは、スペインもえらい。
明日は日曜日。当然ながら、店は全部休みだろうから、
かの全国チェーンのデパートのスーペルメルカードへ行き、二日分の糧を仕入れ、
重たい買い物袋を両手に下げ、何とか、思い出し思い出し、来たコースを戻る。
連日、相変わらずの快晴。気温は36度。
スペインの日差しは強烈この上ない。それも、毎日。
イタリアのときも暑かったが、スペインはまた格別、の感。 |
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部屋は、ベットを置いても悠々の、広い部屋が二つ、
手前の方は、応接セットにシングルベット、奥はツインのベット。
間に通路があって、右はクローゼット、中に冷蔵庫も置いてある。
左のドアを開けると、バスとトイレと洗面台。浴槽は大きい。
午後8時ごろ、応接セットに坐って夕食をとる。 |
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テレビをつけたら、闘牛の中継をやっていた。
もう2番目の闘牛士の番のようだった。
食事をしながら、何の気なしに見ていたが、見てるうちに興味を引かれた。
闘牛士の仕草は、華やかで、機敏、という印象。
すっくと立ったまま、サッと緋色のマントをひるがえし、
頭を下げて向かってくる牡牛を、パッと払う。
最後のとどめの剣が、牛の背中、首すじのすぐ後ろ辺りに、スーッと奥深くまで刺し込まれる、
と、一瞬の間を置いて、牛がくずおれる。
牛を殺して残酷だ云々は、見ていない人の発言ではないか。
一連の所作(儀式?)に見入っていると、不思議なことに、そういう感想はみじんも生じない。
連れどもも、「初めて見たが、認識を新たにした」という。
3番目のマタドールの技は激しかった。
牡牛の勢いも、前のとは違って、荒々しい。
激しい勢いで突進してくる牛を、すれすれのところでかわす。
次のときには(背中に何本かの槍が刺さっているが、そのうちの)一本の(飾り)柄が、
闘牛士のあごを直撃し、飛ばされる。
立ち直って、次の突進のときに、剣をひるがえし、首筋に突き刺すが、奥までは入らなかった。
その次の回に、やっと仕留める。9時過ぎ(日没?)までの中継だった。
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今日のワイン、€14.9 の Ribera del Duero はいい味だった。
産地はセゴビアの北。等級はクリアンサ(crianza)。
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この次は、この上のレセルバ (reserva) にしてみるか。
ともかく、もう完全にスペインのワインを見直した。
イタリアのものよりまちがいなく上等だ。
ボルドーよりもコクがある。
ボルドーも、古いものはおししくて、コクもあるのかもしれないが、
こちとらは、高価なものは飲まないことにしている。
スペインの北部産のワインは、10年もので、€15 から€20 。そして味は、紛れも無く本物。
サラミ風腸詰め(サルチチョン salchichón)も、マラガ以来、ほぼ毎日、
柔らかめの、中身がほとんど生に近いものを(常温で陳列してあるものの中から)
選んで買い、食べている。
いくらでも食べられる。じつにいい味だ。
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