'04年・フランス漫歩の巻
16.ヴェルサイユRG
7時に、朝食を食べようと、降りてゆくと、

フロントも地下の食堂への階段も電気が消えていて、ひと気もない。

さてどうしたものかと思った、その途端に、あたりが明るくなって、

昨日のフロントの男が顔を出し、

「5分ほど待ってください。」

5分後に、地下のドーム型の食堂へ降りる。

さきほどの男は、フロント脇のソファーで、毛布をかぶって仮眠をとっていた。
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天気予報では、時々雷雨、最高気温は24℃とのことゆえ、

傘とかカッパの用意をして、8時に出かけた。

外はかなり寒い。

通勤途上のパリジヤ、パリジエヌは、長そでのシャツ、上着、

どころか、カーデガン、コート、なかには、厚めの外套をはおっている人までいる。

まず6号線で西へ向かう。

セーヌ川の手前(エッフェル塔のすぐ南)の駅で乗り換えるつもりが、

窓の外を見ると、電車が川を渡っている。

慌てて次の駅で降り、川の手前の駅(ビラケム)まで戻り、

そこで、しばし通路を歩いて、RERのC線のホーム(ション・ド・マルス)ヘ向かう。

通路に備えてあるディスプレイ(モニター)に、

ヴェルサイユRG(リヴ・ゴーシュ)行きは8:32発と表示されている。

ホームで待っていると、この駅には停まらずに通過してゆく(SNCF の)列車もある。

2階建て電車が入って来た。

先頭車輛のヘッドの表示は NORA

何だこれは、と思ったが、

まだ8時半なっていないので、それには乗らずに見送る。

他にも、乗らずにホームに残っている人がたくさんいいる。

次は、8時31分を回ったころ、VICK という表示の、同じく2階建て電車が入ってきた。

ホームに残っていたひとのほとんどが、乗り込もうとしている。

さてどうしたものか、乗るか乗るまいか、躊躇して、

だれかに聞かなければ、と思ったそのとき、

乗りかけていた中高年の婦人が、こちらを振り向いて、察したように、

「これはヴェルサイユ行きですよ。」

と教えてくれた。
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これは、あとで、帰りに、わかったことだが、

VICK とか NORA というのは、(列車の)名前だった。

VICK C (C5) V.R.G 行に付けられた名前(愛称みたいなものか?)、

ということだった。

なお、NORA は、西のヴェルサイユとは方向違いの、

(北の)ポントワーズ行 (C1) だった。
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ヴェルサイユ宮殿の敷地は、ほんとうに広い。
from "Baedekers Allianz-Reiseführer, Paris." Karl Baedeker GmbH 1988
外観も、遠目には、よろしい。

が、建物自体に少々傷みが来ている風で、修復が必要なようだ。

宮殿の中では、傍若無人 ? の群れ(団体)が次つぎに押し寄せてきて、

とてもとても、落ち着いて見ていられたものではない。

さささーと見て、草々に引き揚げる。

まだ10時前で、こんなに早く帰るひとはいないのか、帰りの電車はガラ空きだった。

Champ de Mars-Tour Effel で降り、

さきほどのように、通路を Bir-Hakeim 駅の方向へ歩く。

このときに、モニターには、列車名と行き先名とが表示されている、のを知った。
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