|
16.ヴェルサイユRG
|
|
7時に、朝食を食べようと、降りてゆくと、
フロントも地下の食堂への階段も電気が消えていて、ひと気もない。
さてどうしたものかと思った、その途端に、あたりが明るくなって、
昨日のフロントの男が顔を出し、
「5分ほど待ってください。」
5分後に、地下のドーム型の食堂へ降りる。
さきほどの男は、フロント脇のソファーで、毛布をかぶって仮眠をとっていた。
|
〜〜〜〜
|
天気予報では、時々雷雨、最高気温は24℃とのことゆえ、
傘とかカッパの用意をして、8時に出かけた。
外はかなり寒い。
通勤途上のパリジヤン、パリジエンヌは、長そでのシャツ、上着、
どころか、カーデガン、コート、なかには、厚めの外套をはおっている人までいる。
まず6号線で西へ向かう。
セーヌ川の手前(エッフェル塔のすぐ南)の駅で乗り換えるつもりが、
窓の外を見ると、電車が川を渡っている。
慌てて次の駅で降り、川の手前の駅(ビラケム)まで戻り、
そこで、しばし通路を歩いて、RERのC線のホーム(ション・ド・マルス)ヘ向かう。
通路に備えてあるディスプレイ(モニター)に、
ヴェルサイユRG(リヴ・ゴーシュ)行きは8:32発と表示されている。
ホームで待っていると、この駅には停まらずに通過してゆく(SNCF の)列車もある。
2階建て電車が入って来た。
先頭車輛のヘッドの表示は NORA。
何だこれは、と思ったが、
まだ8時半なっていないので、それには乗らずに見送る。
他にも、乗らずにホームに残っている人がたくさんいいる。
次は、8時31分を回ったころ、VICK という表示の、同じく2階建て電車が入ってきた。
ホームに残っていたひとのほとんどが、乗り込もうとしている。
さてどうしたものか、乗るか乗るまいか、躊躇して、
だれかに聞かなければ、と思ったそのとき、
乗りかけていた中高年の婦人が、こちらを振り向いて、察したように、
「これはヴェルサイユ行きですよ。」
と教えてくれた。
|
〜〜〜〜
|
これは、あとで、帰りに、わかったことだが、
VICK とか NORA というのは、(列車の)名前だった。
VICK はC線 (C5) の V.R.G 行に付けられた名前(愛称みたいなものか?)、
ということだった。
なお、NORA は、西のヴェルサイユとは方向違いの、
(北の)ポントワーズ行 (C1) だった。
|
〜〜〜〜
|
ヴェルサイユ宮殿の敷地は、ほんとうに広い。
|
|
from "Baedekers Allianz-Reiseführer, Paris." Karl Baedeker GmbH 1988
|
外観も、遠目には、よろしい。
が、建物自体に少々傷みが来ている風で、修復が必要なようだ。
宮殿の中では、傍若無人 ? の群れ(団体)が次つぎに押し寄せてきて、
とてもとても、落ち着いて見ていられたものではない。
さささーと見て、草々に引き揚げる。
まだ10時前で、こんなに早く帰るひとはいないのか、帰りの電車はガラ空きだった。
Champ de Mars-Tour Effel で降り、
さきほどのように、通路を Bir-Hakeim 駅の方向へ歩く。
このときに、モニターには、列車名と行き先名とが表示されている、のを知った。
|
|
|
|