'04年・フランス漫歩の巻
02-1.エッフェル塔まで歩く
朝食の時間は、6時半から9時半、ということであった。
7時過ぎに、降りてゆく。
食堂に、ハム、ソーセージ、チーズ、ジュース、パンが、豊富に取り揃えてある。
給仕の兄チャンが出て来て、「何かご用は」というような顔をしたので、
フランス人が普段よく飲む種類のコーヒィは何かを尋ねると、
café noir のうちの long というのを教えてくれる。
要するに、ブラックコーヒィに、湯を少し加えて、薄くしたもののようだが、味はとてもよい。
以後、旅行中の朝食時には、欠かせないものになった。
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部屋のテレビが映らない。
天気予報が見られないのが一番困る。
フロントに、出かけている間に直しておいてくれるよう、頼み、外へ出る。
東駅のSNCFの受け付け窓口(アッケイユ Accueil という表示が出ている)で、
レイルパスにスタンプを押してもらいたい旨を言うと、
「いつから使うのか」
「月曜から」(きょうは木曜日)
「使う日の二日前にならないとダメだ。きょうは押せない」
とわけのわからないことを言う。
フランス国内用レイルパスは、スタンプを押してもらってから、一ヶ月のあいだ有効である。
こちらの旅行の日程は20日弱ゆえ、少し早めに押してくれても何の不都合もないはずなので、
少しねばって押し問答をしたが、ラチがあかない。
あきらめて、メトロの路線図だけをもらい、引き揚げる。
駅構内をもう少し歩いてみると、乗車券の窓口らしきものがいくつか並んでいるのが、

目に入った。
待っているひともまばらゆえ、そのうちの一つに並び、
もう一度、スタンプのことについて聞いてみた。
さきほどと同じように、いつから乗るのかと聞かれたので、同じように答えたら、
今度は、「最初に乗る、その当日でなければ押せない」とのこと。
この件については諦めざるをえない。
話を変えて、
「テ-ジェ-ヴェ-(TGV)の予約はできるのか」
「それはできる。」
ガ-ル・ドゥ・リヨン10時発のリヨン・ペラーシュ行きの席を申し込むと、もう満席とのこと。
11時発のはまだ空きがあるというので、しかたがない、それにする。
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4号線(la ligne numéro 4)のポルト・ドルレオン行きに乗り、シャトレで下車。
地上に出てみた。
さて、セーヌ川の方へ行きたいのだが、初めてなので、勝手がわからない。
オバサンが通りかかったので、聞いてみた。
我々を道の角まで連れてゆき、丁寧に教えてくれた。
言われたとおりの方向へ歩いてゆくと、じきに川が見えてきた。
川べりで、こんどはオジサンに、ポン・ヌフはどれかと聞くと、右手の橋を示してくれる。
これで居場所がはっきりしたので、ポン・ヌフの方向へと、歩いた。
橋を渡り、それからラ・セーヌの左岸を、まだ朝の9時なので、ぶらぶらと、

エッフェル塔まで歩いてみることにする。
この辺りの景色はなかなか味わいがある。
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ほどなく、ミュゼ・ドルセーの入口の真ん前に出た。
こんなところにあるとは、つい知らずにいた。
見ると、入館を待っているひとも、さほどいない。
中に入ってみることにする。
内部は、空調設備が整っていて、気持ちよく見てることができた。

Jean-François Millet
Edward Manet
Vincent van Gogh
"Des glaneuses"
"Le fifre"
"Portait de l'artiste"
それでも館内を2時間以上も歩いたので、疲れた。時間もお昼だ。
館を出て、少し行くと、木製の橋が目に入った。橋の上にベンチも備えてある。
地図で調べてみるとソルフェリーノ歩道橋というものだった。
ここでひと休みにする。川を吹き抜ける風が気持ちよい。
かの缶ビール、1664を飲み、
ソンドウィッチ(バゲットを「魚の開き」のように割いて、あいだにサラミやハムや

チーズその他を挟んだもの)を食べ、
体力を回復してから、あらためてラ・トゥーレッフェルへと向かう。
30分ほど歩くと、辿り着いた。
(à suivre)
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