'03年・イタリア徘徊の巻
7-1.ボローニャからミラーノへ(1)
朝のテレビ(RAINEWS 24)は、連日、カルド(暑い)の話。
スペイン、ドイツ、イギリスも暑いとのこと。
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ホテルのオバアサンに
「これから出発します。部屋代をお支払いしたい。」
「冷蔵庫の飲み物は何か飲みましたか。」
聞かれるのを予想していた。
「何も飲まなかった。」「領収書をもらえますか。」
「すぐにできます、待っていてください。」
「タッシを呼びますか。」
「いや、ア・ピエーディ。」
「おー、それはよい。」手を差し出して、「アリヴェデルラ! ブォン・ヴィアッジョ!」
「〜ラ」と言ってくれた(?)のは、このオバアサンだけだった。
他のホテルは、そしてたいていの人は、「〜チ」だった。
こちらもそれに合わせて、
「アリヴェデルラ!」と言って、手を握り返した。
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駅まで歩いてゆく途中、ところどころの店のウィンドウなどに、
「8月中は(店によっては、9月初めまで) Chiuso per ferie(休暇のため閉店)の

貼り紙がしてある。
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9:07発ミラーノ行(ES*9412)は定時出発。
ホームでのアナウンスはイタリア語だけだった。
ES の車輛内の設備は、IC に比べると、格段によい。
全車指定で、快適な冷房。
乗客の話し声は静かで、今まで乗った列車内の、喧噪ないし活気は皆無。
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ミラーノまで、あと10分ほどになった。
向い側の席に座っていた若いカップルが、大荷物を棚から降ろし、デッキの方へ向かう。
座席に新聞を残していった。
手に取ってみると、Il Messaggero という新聞で、見出しに、暑さによる犠牲者が9人、とあった:
The newspaper above: from "Il Messaggero", martedì 12 agosto 2003
はす向いの中年の男性に、片言で話し掛けてみる。
「気温は40度。Caldo killer とありますね。」
「異常だ。いつもは30度ぐらい。」
「ミラーノも暑いか。」
「暑い。」
「町めぐりができない。」
「シ」
これだけ。
列車がミラーノに着いた。
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