'02年・イギリス瞥見の巻 |
11-2.エディンバラからヨークへ(2)
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ホテルまでは、10分そこそこだった。思ったよりも近く、ここも分かりやすい場所で、すぐに見つかった。 |
今日のホテルの部屋には、番号ではなく、おのおの、名前が付いていた。 |
"Queen Mother" とか "Minster" とか。 |
我々のは "Prince Albert" だった。 |
内も外も、かなり古そうな、というか、古典的な感じの建物である。 |
部屋はまことに広々としていた。 |
大きめのダブルベッドがひとつ、少し離れたところにシングルベッドが斜めに置いてあって、それでもまわりにかなりの余裕があり、ゆうゆうと歩き回れる。 |
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ヨークのミンスターの階段は、上がるときには、掘削ドリルの歯を登ってゆくように、登る(「上がる」よりも「登る」の方がふさわしい)。 |
数日前に、オックスフォードで、セィント・メアリィ教会の塔(130段弱)に登った。 |
そこは、二人が降りてくれば、新たに二人が登る、という風にして、順番待ちをしていた。 |
辛うじて、すれ違いができた。 |
ここでは、上がっている人たちがみんな降りてから、次のグループが上がる、という風になっている。 |
上がる時刻はは30分おきに決められていた。。 |
それで、待っているあいだ、何となく、リフトが設置してあるのかと思っていた |
我々の脇に並んでいた年輩の夫婦は、ちょっと先に来ていたようだった。 |
きちんと並ぶときに、お先にどうぞ、とゆずった。 |
順番が来て、狭い入り口から入ったら、上述したような、丸い、直径17、8センチの石柱の周りをぐるぐる回るように登ってゆく。 |
ほんとうに細い螺旋階段で、幅は狭く、ひとが行き違うことはできない。 |
それだから、みんなが降りて来るまで、待つわけだ。 |
登り始めると、後から、このグループの他のメンバーが追いかけるように登ってくる。 |
悠長に、たらたらと登るわけにはゆかない。 |
老いも若きも、ついつい、急かされように上がる羽目になった。 |
上がり切ったときには、みんな息を弾ませていた。 |
さっきの年輩の夫婦と |
「歩いて登るとは思わなかった、リフトかと思っていた」 |
「私も、そう思った」と笑い合った。 |
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通りの名前が入った比較的詳しいヨークの市内地図を、コピィをして持って来ていた。 |
ミンスターを見たあとに、それをどこかで落としてしまったようだ。 |
失くしても、どおってことはないものだ。 |
ミンスターのてっぺんが、そこここから見えるので、大まかな見当はつく。 |
それでも、やはり、地図なしで適当に歩くと、知らず知らずどちらかへ逸れてしまうのだろう。 |
宿への道が分からなくなってしまった。 |
幸い、大きめの橋が見えてきた。 |
この町を横切る大きな川はウーズ川が1本だけだから、橋は位置の確認に役立つと思い、 |
その橋の袂までゆき、地元の人らしき男性に声を掛け、橋の名前を聞く。 |
Ouse Bridge という橋だった。 |
この橋は手許にある簡単な地図にも載っていた。 |
目指す方向よりはだいぶん南へずれて歩いてきていた。 |
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steak & kidny pie なるものを初めて買ってみたが、なかなかおいしい。 |
レバーとはちょっと違った旨味がある。 |
pork pie も、スーパーのではなく、肉屋が作ったものを買った。 |
それぞれの肉屋ごとに、これも、少しずつ味が違う。 |
それがまたよい。 |
もうお昼を回った。 |
野菜サンドと cheese & bacon pasty (肉入り練り粉パイ?)は買ったし、ミネラル・ウォーターもあるから、手近な木陰のベンチで食べられる。 |
だが、ビールが、やはり捨てがたい。 |
ちょうど目の前をM&Sの袋をぶらさげた3人連れのオバアチャンが通り過ぎた。 |
いそいで後ろから声をかけ、店の場所を聞く。 |
「この通りの少し向こう、左側だ、トイレもある。この右手の方向に少し行くと、別な店もある」 |
M&Sの店内で、店の係りのオバサンに、 |
「ビールはどこにあるか?」 |
「ビール? 缶ビール? はい、案内します。一緒に来てください」 |
イギリス人はあまり「缶ビール」は飲まないようだ。 |
だいたい、店のワイン・コーナーの片隅の、あまり目立たないところに置いてある。 |
置き場所を店の人に聞かなければ、まず見つけられない。 |
ドイツのスーパーに比べると(日本のスーパーに比べても)何分の1だ。 |
そしてふつう、4缶が、大きい四つ葉のクローヴァの葉っぱの部分を刳りぬいたような形の軟質プラスティックの輪で軽く留められて、セットになっている。 |
「ひと缶でも買えるか?」 |
「残念ながら、4缶セットでしか売らない」 |
そう言って、いったんは立ち去ったが、思い付いたように途中で立ち止まり、 |
戻って来て |
「この店の、広場を挟んで向いに、ひと缶ずつ売る店がある」 |
と教えてくれる。 |
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夕方には、M&S特注のベルギー・ビール (Brewed in Belgium) が売り切れてしまっていた。 |
これがだいたい一番売れているようだ。 |
また一番うまい。 |
やむをえずピルズナー (Brewed in Germany) にしたが、これはイギリスではそんなに売れないのではないか、あまりうまくなかった。 |
エディンバラで購入したスペイン北東部カタローニア産の赤 (1996) は、最初、酸味が強すぎてどうかなと思っていたが、慣れれば、なかなかいける味だった。 |
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About the girls' disappearance: |
school caretaker I.H. と teaching assistant M.C. が警察の尋問を受ける。 |
警察は Soham にあるこのカップルの家も捜索。 |
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