'02年・イギリス瞥見の巻 |
11-1.エディンバラからヨークへ(1)
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今日も、きのうと同じく、ホテルの斜向かいのレストランで朝食をとる。 |
注文を受けに来たウェイトレスが、まだ新人だった。 |
ティーを頼むと、しばしののち、コーヒィポットを持ってきた。 |
テーブルの上にバターが置いてなかったので、頼んだ。 |
しかし、忘れてしまったのか、いっこうに持ってくる気配がない。 |
もういちど、今度は別なウェイトレスに頼んで、やっと持ってきてもらう。 |
先の新前のウェイトレス頼んで持ってきてもらったスコティッシュ・ブレックファスト(mix grilled breakfast) を食べていると、 |
その娘さんは、さらにコンティネンタル・ブレックファスト用のジャムセットを置こうとした。 |
置こうとして、間違いに気がづき、謝って持ち帰る。 |
食事をしながら、カウンタの方を見遣ると、 |
顔の表情は、まだ慣れていないため、すっかり疲れ果ててしまっている風だった。 |
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宿の清算のとき、「トラヴェラーズ・チェックで払いたいが、いいか」と聞いたら、 |
「スターリングの小切手か」と言うので、「そうだ」と言ったら、OKだった。 |
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ロンドン・キングス・クロス行きのエクスプレスは11番線だった。 |
駅員に、どちらの方向から列車が入って来るのかを聞いて、最後尾の車輛に乗るべく、ホームを、西の端へと歩く。 |
列車は、グラーズゴウ始発で、乗ってみると、すべての席が予約済みだった。 |
このエディンバラとロンドンを結ぶ、ブリテン島の東側の幹線は、日本の東海道新幹線のような、メインのルートである。 |
前もってインターネットで調べたときに、コメントの項目に RR (Seat reservations recommended) とあった。 |
それで、「予約なし」で乗るのはどうかな、と思っていたのだが、やはりコメント通りだった。 |
ともあれ、まずは荷物を、客車 (Coach A) の中程にある荷物置き場に置いた。 |
そして、近間の空いている席の、背もたれの上部に差し込んである予約札を見てみた。 |
それには Motherwell と Kings Crosss 間の予約と打ち込んである。 |
イギリスの鉄道について、少しづつ、勝手がわかってきたので、このときは、あらかじめオペレータ GNER (Great North Western Railway) のこの幹線のタイムテーブルを貰っておいた。 |
それで調べてみたら、Motherwell はグラーズゴウのすぐ次の停車駅で、もう疾うに通り過ぎている。 |
ひとつ前の座席に、筋骨逞しい両腕に、思いきりタットゥーを彫り付けた、がっしりした体格の中年の男が座っていた。 |
念のために、さきほどの予約札を抜いて、そのひとに見せ、聞いてみた。 |
案の定、その札を破る真似をしながら、 |
「この札はもう無効だから、その席に座っていい」とのことだった。 |
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列車のスピードは日本の新幹線並み、という感じがする。 |
車内の少し離れたところに、中年ないし老年のグループがいて、大いに話が盛り上がっている。 |
耳を傾けてみたが、何を話しているのか、皆目わからない。 |
さきほどの男はケータイで話をしている。 |
それが済んだころを見計らって |
「向うの老人グループの話がさっぱり理解できないが、どの地方の人たちか?」 |
「グラーズゴウ」 |
「方言を喋っていると思うが」 |
「そうだ、スコティッシュだ」 |
馬鹿のひとつ覚えで、 |
「たしか、Auld Lang Syne という表現はスコティッシュだと思う」 |
「いや、イギリス全土で使われている、Happy New Year の意味だ」 |
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少し経ってから、Auld Lang Syne が Happy New Year というのは、どうもいまひとつ腑に落ちないので、 |
「たびたび煩わしてすまない。あなたは先ほど Auld Lang Syne は Happy New Year の意味だと言った。これは挨拶の表現だと思うが、いつお互いにそう言い合うのか?」 |
「(New Year) Eve に、互いに握手をしながら、Auld Lang Syne ! と挨拶をし合う。そのときに、この歌をも歌う」 |
ということだった。 |
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かの老人グループはニューカースルで降りた。 |
ブリテン島の西北部は、なだらかな丘陵地帯に、牛や羊の放牧地が延々と続いている、という印象だった。 |
東北部の沿線も、初めはほとんど放牧だったが、穀物畑も散見されるよになり、次第に割り合いが半々になってきた。 |
麦畑(?)が増えてきた。 |
エディンバラもそうだったが、Darlington もホームのじきそばまで車が入って来る。 |
車を降りると、目の前が列車のプラットフォーム、となっている。 |
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ヨークに着いた。 |
降りる前に、さきほどの四十がらみの男に、もういちど礼を言っておこうと前の座席を覗いたら、もういない。 |
いつの間にか、途中の駅で降りてしまったようだ。
車中、GNER の時刻表をめくっていたら、ヨークに到着して20分後に、
かの有名な「フライイング・スコッツマン」(The Flying Scotsman) がヨーク駅に入ってくるのがわかった。
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この FS は、数十年以上も昔から、戦時中も、
ロンドンを定時、つまり午前10時に出発するのを頑に守ってきた、
といわれている伝説的な列車である
(都合で変更したこともあったのかどうかは、定かでないが)。
我々の列車は10分遅れだから、
10分後に、南からヨーク駅に入って来る。
駅のホームの案内の女性に番線を聞いて、
ブリッジを渡り、写真を2、3枚撮っておいた。
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from
"Timetable of GNER train services,
valid from 2 June -28 September 2002"
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