'01年・ドイツ再訪の巻
2.ヴュルツブルク、そして飲み食いのこと
 朝食は7時からと聞いていたが、その時間になってから、食堂へ行ったら、先客が、すでに、沢山いた。
 もう食べ終わった人もいた。
 セルフサーヴィスではないかと思い、席に着いている人に確かめると、そうだと言う。
 皿にパンやチーズやソーセージを載せてから、調理場を覗いて、係りのオバサンにティーを頼む。
 が、ミルク・ジャッグが見当たらない。かのオバサンに言うと、置いてあるはずだ、と言う。
 空っぽのそれらしきものがあったので、その旨を言うと、面倒臭そうな顔をして出てきて、確認をしてから、やはり無言のまま、トンと置いた。
 大きな駅の近くのビジネス・ホテルのようなところだから、朝は忙しく、早い時間からの仕事で、疲れてもいるのではないか。
 このあと泊まった他のホテルでは、概してあしらいはよかった。
〜〜〜〜
 レギオナール・エクスプレス(RE:快速列車)でヴュルツブルクへ向う。
 車体が少し汚れた緩慢な列車だが、途中の町をゆっくり眺めながらゆけるのがよい。
 そして空いている。
Das Eisenbahnnetz oben: aus "Railways in Germany",
Deutsche Bahn AG, Mainz, 1997
〜〜〜〜
 ヴュルツブルク市内では、いつもコンパスを手許に持っているのに、わかる気になって、方位を確かめもせず歩き回ったのは、いつにないへまだった。
 山歩きで、こんなことをしたら遭難ものだ。
 おかげで、目星をつけた店に、帰りに立ち寄ろうとするも、右往左往、堂々回りをやらかした。
 市内の住人とおぼしきひとに、私はどこにいるのか、を、地図を見せて、教えてもらう始末で、やっとのことで目当てのところに辿り着いた。
〜〜〜〜
 夕食の材料は、地元のデパートの食品売り場で仕入れた。
 ブラッド・ソーセージと半ナマの太めのサラミソーセージのようなもの(名前は知らない)その他のヴルスト(ソーセージ)のスライス、ブレートヒェン、ライ麦パン、ドイツの青リンゴ(赤味がかったのは不味い)、Gewürzgurke(キュウリのピクルス)。
 缶ビールを3本、ワインは通称ボックス・ボイテル(山羊のふぐり)のカビネットのトロッケン(ドライ)。
 デパートの食品売り場やスーパーのカートは、鎖で繋がれていて、ただ引っ張ったのでは外れない。
 ちかまの中年の男に聞いて、教えてもらう。1マルクを入れると鎖が外れ、使い終わってから、戻すと、硬貨も戻る、という仕組みだった。
 以後、どこも、たいてい同じだった。
〜〜〜〜
 缶ビール(500ml)は一日平均4本を飲んだ。
 昼に1本、晩に3本、晩は連れと半々、である。
 毎日、ゆうに 10km 以上の距離を歩いたので、夕食時のビールはじつにうまかった。
 ビールと言えば、ある博物館の地下のレストランでビールを頼んだら、ジョッキではなく、細長いグラスに入ったのが、しかもほとんど間を置かずに出てきた。
 泡を切るのに、手間と暇をかける、というのは昔話か? 
 こんなのでは缶のほうがましだ。
 ちなみに、500ml の缶ビールはスーパーなどでは、1マルク(56円)前後、駅のスタンドでは2〜3マルクしていた。
 ブラッドソーセージと半ナマのサラミの味は抜群。
 フランケンヴァインも口当たりがよく、連れと、半分以上を空けてしまう。
 そこで控えて、あす用に、いくらか残した。
< 前のページ