'11年・北イタリア散策 >>
03-1.<< 8/4(木)シエーナのスカラ・モービレ(Siena) >>
9:15発のEuroStar に乗るべくテルミニへ行くと、

列車の運行がいくつかキャンセル(運休)されている。

諸列車の番線変更のため、例によって(旅行者たちの)民族大移動が始まる。

こちらが乗る予定の列車も10分前に番線が変ったが、幸いほぼ時間通りに出発する。

フィレンツェ S.M.N. 駅で乗り換え(今回はフィレンツェの町は歩かない)、

「シエーナ行きの番線は」と見ると3番線。

終端駅フィレンツェのメインのホームの若い番号の端は4番線。3番線が見当たらない。

駅員に聞くと、4番線のホーム沿いのかなたを指差し、「あそこを左に行け」。

ずいぶんと奥まったところに3番線があった。

12時15分、シエーナよりも手前のポッジボンシとういう変哲もない田舎町に降りる。

インターネットで探って、この町のアルベルゴ(宿屋というニュアンス、概して安宿)に

予約をした。場所は駅前広場の突き当たり。ここを拠点に2カ所の観光地を回ろうという魂胆。


部屋に荷物を置き、12:49 の列車でシエーナへ。わずか25分。

シエーナの駅前に降り立つも、界隈が整備され、モダンになっていて、手元の古い略図とは

道筋がまるで違う。丘の上(にあるはず)の町まで、どう歩き出せばよいのか見当がつかない。

掃除のオジさんがいた。「町まで徒歩でゆきたいが、方向を教えてもらいたい」

するとかなたの建物の方向を指し、「スカラ・モービレで上へ、上へと行き、

上がり切ったら左へ」とのこと。言われた通り行こうとしたが、

「建物の入り口への方向を少し間違えたかな」と思い、振り向くと、

遠くからこちらの動きを見守っていたようで、

「もっと右の方向だ」と手振りを交えて教えてくれた。

建物の中に入るとスカラ・モービレ(エスカレータ)が斜面を上っていた。

乗ると、少し後ろに乗った若い奥さん(先ほどらいのわれわれのまごつきを見ていた)が

「ずっとずっと先まで上がると、道に出る。

それを左へ行くと門がある。そこからが町」と教えてくれる。

このスカラ・モービレは、聞き漏らしたが、出来て間もないのではないか。

そしてまた、たいした大掛かりな装置だ。

数えはしなかったけれども、7、8回ほども乗り継いだろうか、

最後には、すっかり丘の上まで上がってしまった。

言われた通り左の方向へ行くと、たしかに城門が右手に見えた。

その門をくぐると、シエーナの旧市街。

カンポ広場への方向は標識がしっかりしていて、間違いようがない。ほぼ道なり。
1時間ほどぶらぶらと歩いてゆくと、

左手下方に広場らしきものが見える。

その緩やかな石段を降りて

広場(カンポ広場だった)をひと回り。

塔に登ってみようとしたが、

順番待ちの列が長いので止めにする。

インフォメイション(目立たない)が見つかり、

地図を求める(0.5E)。

暑い。観光客も多い。

シエーナ訪問はこれで終り。


と、帰りがけ、

家内が右手の小さなお菓子屋に目を付けた。

The city maps above:
from "SIENA, Pianta della città"
© Iter Edizioni 2009
入ると、包み紙に包んだぼってりした菓子が、

手前の籠に無造作に積んである。

聞いたら、「シエーナのスペチャリタ(特産)」で

日持ちがすると言う(賞味期限は2012.11.05)。

値段は忘れたが、変哲もない菓子にしては高めで、

まあ土産ものだから仕方なかろうと、3つの種類があったので、1個ずつ買う。

連れがあとから言うには「ガイドブックを見ていてわかった。

シエーナのパンフォルテという伝統的な菓子だ」とのこと。


この店を出ると、あとは脇目もふらず、もと来た道をスタスタ歩いて、スカラ・モービレの段も、タッタッタと、

ほぼ駈け足で、降りた。

このような設備は、このとき知ったのだが、ずっと下まで続いていて、

そのまま降り続けると、驚いたことに、シエーナ駅構内の連絡通路に至った。

カンポからここのホームに立つまで、所要時間はたった30分。往きの半分。
駅から丘の上までの斜面を、

日本に帰ってからだが、

Google maps の衛星写真で見てみたら、

まだ工事中の画像だった。

(右のgoogleの写真に描いた「黄色の線」がエスカレータ。

写真の手前が丘、中程の三角の建物に入り、

その先は地下、矢印の先端は駅のホーム)


なお、かの菓子は、延々と持ち歩き、

日本に帰って、包みを開いた。

かなりねちっこい、どっしりとしたもので、

小さく切って少しずつ食べる(もののようだ)。

味は上等。

The picture above :
from © 2011 Google
〜〜〜〜
ポッジボンシの駅前ロータリィの右手にバスの切符売り場兼インフォメーションがある。

サン・ジミニャーノ往復のバスの時間と乗り場を聞く。若いおネエチャンが親切に教えてくれた。

ポッジボンシの西洋宿屋は電気が切れていた。申し出て、球を取りかえてもらう。

エアコンはなく、扇風機。テレビは映らない。お湯は出た。

食事付きで60ゆえ、やむなし。あたりは静かで、環境はよい。
< 前のページ