'07年・オーストリア縦断
12-1.<< 8/17(金)  雨の中のザルツブルク >>
おととい、きのうと、宿を出ると、ま南に向かったが、

きょうは、西へ、ザルツァッハ川の方へ向かった。

川べりに出てから、土手沿いの道を、上流へ向かって(南へ)歩く。

橋をひとつ過ぎると、次は鉄橋。列車の写真を一枚取れれば、と思い、少し待つ。

ほどなく、普通列車が橋を渡って来る。一枚撮る。
できれば、貨物列車を

撮りたかったが、

こちらはさほどのマニア

ではない、これでよし。
ついで、土手から外れ、線路沿いの道を左(東)へ向かい、いつもの大通りに出る。

まず、「ザンクト・ゼバスティアン」をめざす。レーオポルトとコンスタンツェの墓があるはず。

墓へ行く前に、昨日の菓子屋に立ち寄った。

「クーゲルンはとてもうまかったから、個別にいくつかづつ注文をしたい」

小さい袋を出してきたので、「いや、ぜんぶ一緒でよい、合計26、7ある」と言ったら、

大きな袋を出してきた。数を確認してから、「どれぐらい日保ちするのか」

「(種類によって)6ないし8週間、温度を一定に保っておくとよい」と、

保温袋に入れて渡してくれた。
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St.Sebstian 教会の場所を、何人かに声を掛けて、聞いてみたが、

地理不案内のひとばかりだった。すると、こちらの様子を見かねてか(?)、横から

「どこをお捜しですか」という声が(日本語)した。

そのひとは地元ガイドとおぼしき同胞(これは、外見からの想像。地味な服装で、

黒バッグを腰に付けた中年のオバサン、「この町に長く住んでる」という)だった。

オバサンは、教会の場所を教えてくれて、ついでに

「ガイドブックにはそう書いてありますが、じつは本当の墓かどうかはわかりません、

がともかく、お訪ねになってみたら」と言い残し、立ち去った。

せっかくのご好意ではあったが、こちらとしては、水をさされた感がしないでもない。

途中もういちど穏やかな風貌、身だしなみがいい紳士に場所を尋ねた。

ドイツ語で聞いたのだが、礼儀正しい(?)英語での返事がかえってきた。英語圏の人か。

教会も、その裏手の墓地も、穏やかなたたずまいで、感じがよい。
父親とその息子の妻の共同の墓も、

手前のすぐわかるところにあった。

本当にその二人の骨がこの墓の下に

埋葬されているのかどうかは、

大した問題ではない。

そういう穿鑿は好事家に任せる。

aus: Baedekers Stadtführer, Salzburg;
Karl Baedeker Vlg.,1988
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次は、雨の中、カタコンベを目指す。

St.ペーター教会の墓地の奥の方が切り立った岩の壁になっていて、

その壁のところどころに窓らしき穴が見えた。

初めは、何とも思わずに、中に入ってみたのだが、なかなか大したものだった。

岩壁を穿って、祭壇や、その他、いくつかの部屋が設置してあり、それらをつなぐ階段や通路も、

同じようにくり抜いて造ったものだった。

こんどは、レジデンツ、時折やることだが、墓地からの坂道を下ってきて、

何か勘違いして、右手の建物に向かう。入り口かと思って見たら「郵便局」。
これはおかしい、

そこのポストに何通かの手紙の束を投函している

おばあさんがいたので、

聞いてみた。すると、

「ノイエ(新)・レジデンツか、

それともアルテ(旧)・レジデンツ か」と言う。

Alte」と言うと、かなたを指して

「それは向うだ(この広場を挟んで反対側)」

と教えられる。
aus: Baedekers Reiseführer, Österreich;
Karl Baedeker GmbH, 1988
Fiedhof:墓地、ホルン:郵便局
広場の片側に、馬車が、ほろを被せ、馬にはカッパを着せて、整列している。

雨降りゆえ、乗る客は少ないようだ。
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レジデンツの見学を終えると、娘は「自然博物館を見たい」と言う。

雨は降り続いているし、「雨宿りにはいいか」と、行ってみることにする。

子供連れの客でごった返していた。

館の「中身」は、「子供だまし」ということはなく、けっこう「まともに」分類され、

そして詳しい解説が付いていた。

そこを出ての帰り道、家内が、けさ、通りがかりに目をつけていた店で、

半額セールのバッグを買う。店主に、何の皮かを聞いたら、

「それはわからないが、本物の革で、名のあるバッグメーカーの製品」であるとのこと。

肉製品売場(デリカテッセン)で、Bauerschnitzel(田舎風シュニッツェルということか)

とあったので、店員(おばさん)に「どんな種類のものか」を聞いたら、

困ったような顔をして、「よく説明できない」と言う。

こちらの聞き方が悪かった。「製造法」まで聞くつもりはない「要するに、ウシかブタか」。

と、「ブタ」だというので、ひとつもらう。

ほかに、ヴルストもひとパック。

ビールは試しに、「赤い色の缶」のザルツブルク産のものを買ってみる。

値段(0.85)からすればおいしいはず。一般に、0.65 以上のものはうまい。

じっさい、この「赤色の缶」はこくのあるビールで、今までのうちで一番うまかった。

「バウアーシュニッツェル」も素朴な味で、とてもおいしかった。

オーストリアは、駅舎の列車表示が、わかりやすい。

時刻表も、窓口で求めると、必要な分だけ抜粋した便利なものをくれる。

比較的細かい時刻表もあり、それは乗り換えのときなどに役に立つ。

ザルツブルクの駅の窓口で、「ザルツブルクからヴィーンまでのを」と言ったら、

それこそちっぽけな、「名刺よりも小さく」二つ折りにした、カードを一枚、ひょいとよこした。
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