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09-1.<< 8/14(火) ケーブルカーを乗り継いで >>
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宿泊の予約をしたときに、返事のメールに、
「ボリュームたっぷりの朝食を提供する」とあったが、その言葉にいつわりはなかった。
まさにそのことばどおり、豊富な種類の食べ物が並んでいた。
「シャワーだけ」でも、容認しなければならないか。
ハム類、チーズ類、ソーセージ類を、存分に食べる。
ふだん、日本にいるとき、朝は、ほんの少しの量しか、ものを食べないが、
言い訳をすれば、それは午前中、ほとんど身体を動かさない、という理由から。
しかし、旅行のあいだは、状況がまるで違う。午前中いっぱい、3時間以上、歩き回る。
ゆえ、じゅうぶんに栄養を補給しておかなければならない。
胃腸の余り丈夫でない小生が、朝から、こういった肉類を山ほど食べても、
不思議と腹をこわさない。 |
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以前は、旅行前に、かなり綿密な計画を立て、
旅行中は、そのスケジュールに従い、行動をしたものだが、
だんだんに、予定が、いい加減にというか、雑に、なってきた。
今日の予定も、ゼーフェルトへ行くつもりだったが、
あまり見るべきものがなさそうなので、止めにした。
インスブルックを適当にぶらつくか、と連れどもに言ったら、
家内は、「ケーブルカーに乗ろう」と言う。
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「そんなものは面白くもなんともない」気がしたが、
他に妙案はなし、その線でゆくこととする。
それで、急遽、フロントで、
インスブルック・カード(24時間有効のもの)を購入した。
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そして「Seegrube(展望台) へ行こうと思うのだが、まずは市電に乗るのか?」
日本のガイドブックには、そんな風なコメント(トラムの1番で、云々)が付いている。
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「いいえ」と地図に書き込みをしながら、
3本のケーブルのうち、
市電から乗り継ぐと思われる「1本目の線」に
「バツ」を入れ(今は廃止?)
「Landesmuseum(州立博物館)の右の角の
果物屋の前で、
ノルトパルク(Nordpark)行きのバスに乗りなさい、
そのバスは(2本目の)ケーブルカーの乗り場まで行く」
とのこと。
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果物屋の前で、おばあさんに聞くと、
「あと3分でそのバスが来る、とあそこに出てますよ」
見やると、行き先別に、バスの到着時間が
電光掲示で表示してあった。
ケーブルカーは大型だった。
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Der Stadtplan oben: aus "Innsbruck",
Herausgeber: Innsbruck Tourismus
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雨が降って来た。
展望台のところから、次のケーブルに乗り継いで、Hafelekarspitze (2334m) の肩のところまで上がる。
雨がぱらついているが、そこから、連れは傘を差し、こちらはカッパ代わりのヤッケを被って、
15分ほど歩いて、頂上に立つ。眺めは抜群。
余り気が進まずに、いわば「付き合いで」上がって来たのだが、
これほどの眺めとは思わなかった、来たのは正解だった。
山頂から正面左に、町の東側にあるズィル川とイン川の合流地点が見える。
右手遠くに(飛行場だろう)滑走路のようなものが見える。
ふたたびケーブルで、いちばん下まで降り、バス停で待つ。
ほどなく、バスは来たのだが、
「終点だから、乗客がぜんぶ降りてから」乗ろうとしていたら、パッとドアが閉まり、
バスは、2、3人の客を乗せたまま、走り出す。
「ここは終点ゆえ戻って来るだろう」と思ったのだが、さにあらず、
ぐるっと向うの道へ回ると、坂を下って行ってしまった。
「ドアの脇の大きなボタン」を押さなかったのが、まずかった。
15分待って、次のバスに乗り、イン橋(Inn Brücke) の手前で降りて、公園で休む。 |
そのあと、町なかに突っ立っているシュタットトゥルム(市の塔)に登った。
もとは「火の見やぐら」とかで、眺めはよい。うごめく人の群れが、真下に見える。
ついで Volkskunstmuseum(民俗博物館)を見学したら、もう疲れてきた。
天気は、すっかり晴れ上がった。
今朝、フロントで確かめておいたが、やはり「8月15日は休日で、店はどこも閉まる」ゆえ、
きょうは、あれこれの品の買い溜め。ワインを2本、ビールを1ダース、その他もろもろ。
店のオネーチャンの応対は、ぞんざいでせわしい。
こちらも落ち着きを失い、合計 €32.92 の支払いにもたくたする。
小銭を処分するため、数えようとしたのだが、92セントでは、
種類と枚数が多すぎて、しょせん無理だった。
宿に帰って、食料を取り出すと、せっかく楽しみに買ってきた「腸詰め」が袋に入っていない。
レジのネーチャンが「ベルトコンベア」の上に載った品物を、
右から左へ、ぞんざいに飛ばしていたから、どこかへ落ちてしまったか、
あるいは、こちらがカートから取り忘れたか。
どちらにしても、せっかく楽しみにしていたブルストだが、無いなら、残念だが、仕方がない。
戻って交渉する気もしない。慌てていたのか、レシートを貰うのも忘れた。 |
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フロントの女性ふたりが、ときどき交代する。
顔とスタイルが似ているので、姉妹かもしれない、と初めは思った。
あとで、エレベータ内に経営者家族の写真が飾ってあるのに気がついた。
そこ写っているのは「親夫婦と娘がひとり」ゆえ、二人は、ただ単に似ているだけか。
ちょうど交代したばかりで、帰ってゆく方の娘さんが(我々の)背後から
「シェーネ・ナッハミッターク!(楽しい午後を!)」と声をかけ、階段を駆け降りて行った。
けさの食堂はふだんの日曜日よりも、もっと静かだった。
休日には、泊まり客もゆっくり休んでいるのだろう。通りの音も皆無。みんな静まっている。
外は雨。インスブルックは、天気が変りやすい。気温も、オーストリアの他の都市と比べて、
低い。 |
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