'07年・オーストリア縦断
04-1.<< 8/9(木) 南下してグラーツへ >>
7時前に支払いを済ませてから、ゆっくり食事をし、8時前には宿を出る。

ルスプラッツからU1で、ズュートティローラープラッツ乗り換え、

トラムでズュートバーンホーフ(西駅)へ。やはり延々と歩くよりは、この方が遥かにまし。

鉄道案内所(インフォルマシオン)で 13番線の場所を聞き、「動く歩道」で上がって、

ホームへ行くと、まだ30分前なのに、もう列車(IC533)は入っている。

そして列車の最後尾には、自家用車を運ぶ無蓋貨車が3両ほど付いている。

Autotransportwagen(自動車輸送貨車)というものらしい。

カー・フェリーならぬ、カー・トレインだ。

空いていた「禁煙のコンパートメント」に入る。車室付きの列車に出会うのはしばらくぶり。

最近は少なくなったようだが、オースリアではどうなのか。

出発真際に、左斜め向いの通路側の席におじいさんが、そして左隣りの席に、

スーツ姿の若い男が、ほぼ同時に坐る。

30分後の(ヴィーナー)ノイシュタット駅でふたりとも降りたが、

穏やかな顔をして静かに坐っていたおじいさんが、

降りがけに、こちらを見て、ひょいと左手を擧げ「ヴィーダー・ゼーエン!」

「ふたり連れ」かと思ったのだが、そうではなかった。

こちらも、同じように手を擧げて、言葉を返した。
        〜〜〜〜


車掌が検札に来たので、

Bruck (a.d. Mur) 駅での乗り換え

のことを聞く。

「1番線に到着し、3番線へ乗り換え、

とあるが、同じホームだろうか」

「いや、通路を潜って、左のホームだ」

「5分だけの待ち合わせ時間だが」

「カイン・プロブレーム(問題なし)」
ブルックのひとつ前、ミュルツツーシュラークで、老夫婦が、

「(隣の)席は空いていますか」と断ってから、車室に入ってくる。

老人(夫)の方が、Bruck まで喋り通し。方言のようで、内容がほとんど聞き取れない。

ブルック・アン・デア・ムーアに着く。

「私たちはここで乗り換えます」と断って、立ち上がると、

ご亭主は「自分たちも乗り換える。あなたはドイツ語をしゃべるが、

我々は、日本語は難しくてしゃべれない」等々。こちらと話すときは、標準のドイツ語になる。
〜〜〜〜
乗り換えてから、ほんの30分。グラーツ中央駅に着く。

駅に降り立ってすぐ、旅行のときのいつもの行動だが、

明後日のリンツ行きの列車の情報を、構内の「インフォ」で得る。

そしておもむろに、駅舎を出、「(駅前)広場を挟んで向い側、右手の方向」

と思って歩き出したのだが、少し通り過ぎてしまった。

目当てのホテルは、まるっきり駅前そのものだった。

部屋は5階(最上階)。ビジネスライクな部屋だが、広さは十分。
〜〜〜〜
街まで歩いてみる。(ムーア川の)川岸まで、東(右)へほぼ1キロメートル。

その向こうが旧市街。

きょうは「街の様子を感じ取るため」だけにして、適当にぶらつき、

ガイドブックに載っている有名な(?)菓子パン屋で、いくつかを試しに買ってみる。

店のおネエさんの愛想は余りよいとは言えない、

が、味は(宿に帰って食べてみたが)よかった。


城山(ショロッスベルク)には登らず、その手前の電車通りを北へ、

ムーア川沿いに歩いて、上手の大橋(ケプラー橋)を渡り、

駅に向かってほぼまっすぐに続いている大通り(ケプラーシュトラーセ)を、テクテク歩いて、

駅の手前、ホテルの隣のスーパーで、買い物をする。
aus: "Graz", Schubert & Franzke, St.Pölten 2007
缶ビール(500cc)は上等な(高い)方でも、せいぜい 0.6ユーロ、ざっと百円弱、

もちろん麦芽100% ― 安くて、そしてとてもうまい。

これを5本買う。われわれは、夕餉に、三人で4本、お昼は、ふたりで1本を飲む。

ワインは、店のオバサンに聞いて、オーストリア産のを買う。

(今回はオーストリアに来たのだから、徹頭徹尾、オーストリア産に限定している)

ワインは、この値段なら「怪しい代物」か、と思ったのだが、さほど悪くはなかった。

ボジョレヌヴォーのような、若い味。それならまあ、安くても、なんとか納得できる。
〜〜〜〜
ここのホテルは大きい(部屋数は100以上)。

方針として、大きいところは避け、小さめのところ(30室前後)に目星を付けて、

予約するのだが、グラーツ駅の近くには、ほかに適当なところがなかった。

以前は、駅から多少遠くとも構わず、ランクは「B&B のクラス」のところに泊まっていたが、

われわれ夫婦ももうトシなので、なるべく駅に近い、そしてランクは「少しだけ上」

(せいぜい3つ星、たまに4つ星、といったところ)にした。

ここは大きいホテルのせいか、フロントは忙し気だった。

だが、二人の若い女性が、てきぱきと応対してくれた。そつは無い。

ここも(ウィーンもそうだった)水道の水が冷たい。そして、うまい。

缶ビールが、ちょうどよい温度に冷える。
< 前のページ