'06年・スペイン彷徨
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朝8時前、支払いを済ませて、駅へ向かう。徒歩で、20分ほど。

着いて、間もなく、まだ発車まで25分もあるが、改札が始まる。

スペインに来て、高速列車 AVE (Alta Velocidad Española) に乗るのは、今日が初めて。

なかなかに快適である。

スペインに来て始めての曇り空(薄曇り)。が、車中40分後、窓の外に、青空が広がる。

でも珍しく、雲があちこちに見える。

真ん中にテーブルを挿んだ、向かい合いの席で、

マドリッド着の30分前(午前11時)に、ゆっくりと車内で昼食をとる。

乗る前にセビーリャ駅の売店で買った、バゲットを縦割りにして具を挿んだサンドイッチ、

ひとつはスペインの香ばしい生ハム、もひとつはマグロとかカツオ(と思える)の薄切りに、

酢づけの赤パプリカを加えたもの。

マドリッド・アトーチャ駅に着くと、すぐにインフォメーションへ向かう。

明日はセゴビア行きなので、座席指定をしてもらおうと、番号待ちの券を取る。

いま出ている番号の、70番ほど後の番号だから、「30分以上は待つことになるな」と思ったが、

先ほど、券を取った、その機械のそばに、係のオバサンが立っていたことを思い出し、

予約のことを聞いてみた、すると、

「予約は必要ない、切符を買ってホームへ行け」というようなことを言う。

腑に落ちないので、

「スペインのレイルパスを持っているので、座席の予約だけをしたいのだ」と言うと、

すぐ脇の案内係りの窓口に連れてゆかれる。
そこの窓口で、同じことを尋ねたが、

「やはり予約は必要ない、じかにホームへ行け」、

とマドリッド、セゴビア間の小型の時刻表に

印をつけて渡してよこす。
〜〜〜〜
地下鉄の乗り場へ向かう。1号線で4つ目の駅がソル。

「そこで降りるだけ、宿はすぐ」と思いながら、

何の神経も使わず、スーッと改札を通り、ホームに出る。

待つ間もなく、電車が入ってくる。

それで、(いつもはホームを適切な場所へと移動するのだが、それをせず、)

辺りに何も気を配らずに、乗り込んだ。

電車は混んでいたが、ぎゅうぎゅう詰めというほどではない。

ドア付近に立っていたが、斜め前にいた中年の小柄で太めの男が、

やたら、ぐいぐいと肘や肩で押してくる。

ふつうにはあまりこういう仕草はしない。

「次の駅で降りたいためか」と想像し、少し身体をずらして避けた。

こちらは旅行の重いバックを床に置いている。

その男は、それが邪魔だ、というようにこちらに目配せをする。

家内が、何か察したらしく、「お父さん、気をつけて、」とか叫んでいる。

あとから思えば、取られたのは、このときだったかもしれない。

次の駅でひとの群れが降りた。

少し気になって、チョッキの内ポケット(左)の財布と、

中のカッターシャツのポケットに入れているパスポートを確認した。ちゃんとあった。

が、チョッキの右上のポケットに手をやってみて、あれと思った。カバーが開いている。

中に入れていた、数枚の(小額の)5ユーロ、10ユーロ紙幣がそっくり無くなっていた。

生まれて此の方、初めてスリにやられた。

大金でなかったのは幸いだが、それでも腹が立つ。

が、悔やんでも、後の祭り。

明日からは、右上のポケットには、紙切れでも入れておこう。

わが娘の話では、女スリもいたらしい。

近寄ってきて、すぐ前に立ち、横に下げていたカバンを前に回し、

何気なくその上にスカーフを被せた、という。

娘は、「自分のバックを、さっと後ろに回して避けた」、という話だった。
〜〜〜〜
マドリッドは晴れ、しかし、今までに比べれば、それほど暑さを感じさせない。

32度ぐらいだろうか。


スペインのワインに嵌ってしまった。

今日は Ribera del Duero の、更にランクを上げて、レセルバ(reserva) にした。

これを宿で飲んだら、まぎれもなく本物の味だった。3人で1瓶を空けてしまった。

かつてシングルモルト(スコッチ)に驚嘆したが、スペインワインは、そのとき以来の衝撃だ。
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