'06年・スペイン彷徨
11-1.<< 8/13(日)セビーリャ散策 >>
朝、まず北へ向かい、サンタ・フスタ駅への近道を確かめてから、

ピラトの家、サン・レアンドロ修道院を眺め、

サン・イシドロ教会の脇を通って、市庁舎へ。
ヌエバ広場とコンスティトゥシオン大通りは、

全面封鎖で、大工事中であった。

イサベル橋、堂々たるマエストランサ闘牛場、

そして黄金の塔を近くに眺め、

さらに南へ下って、マリーア・ルイサ公園に入る。

公園内に、何かツタ植物の棚が方形の池を囲んだ、

静かな休み場所があった。

そこでゆっくりと昼食をとる。
aus: Baedeker, Spanien; 1992
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すぐそばのスペイン広場の宮殿をざっと廻り、

旧タバコ工場(今はセビーリャ大学の一部のようだ)の脇を通り、アルカサルへ。

ひとが少し並んでいる。少し待って入るが、少し見ると、もう疲れてきた。

カテドラルへの入場は、今日(日曜、無料)は、2時半から。まだ15分ほどある。

南は日差しが暑い。北へ回る。しかし、北は、出口専用だった。

もういちど南へ回り、向いの日陰の石段で、時間まで待つ。

日差しが強烈なので、日なたにはとても立っていられない。

スペインタイムで、予定の時間を5分以上過ぎてから、やっと開門。

こちらは、まっすぐにヒラルダの塔を目指すが、カテドラルの中は、おどろくほど広く、

塔の登り口に辿り着くまで、この建物の中を歩くのだが、かなりの距離がある。

塔の上へは、石畳みの螺旋状のスロープをぐるぐると、

途中、何人もの人を追い抜きながら、速足で登った。。

やっと頂上へ出た。高さは70メートルぐらい。

上はかなりの風が吹いている。

サンタ・フスタ駅とおぼしき、なだらかなカマボコ型の屋根が、かなた東北東に見える。

塔を降りて、カテドラル内をざっと見てから、宿へ向かう。

不規則な曲がりの連続した小路にも、何となく慣れてきた。

出てから10分弱で着いた。
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小生の英語の能力は貧弱で、

こう言うと語弊があるかも知れないが、低レベルの「学校英語」の域を出ない。

それでも何がしかの用は、辛うじて足せる。

ひとに尋ねられても、多少なりとも意志の疎通ができる。

ところがスペイン人は、一般的に(年輩以上のひとはまずほとんど、若い者でも大部分?)

英語を、理解しないし、ぜんぜん喋らないし、

要するに、英語には、まるで関心がない。

またじっさい、実生活において、必要もなさそうだ。

そして、スペイン語は、国際語として幅を利かしているから、

「スペイン語でじゅうぶん」ということだろう。

カテドラルのところでも若い男に、少しものを尋ねたのだが、

「エスパニョルはわかるか?」

「わからない」、と言うと、

それでは残念ながら説明できない、という仕草をする。

その表情は、横柄でも、卑屈でもなく、ごく自然で、穏やかだった。
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町を歩くのに、地元民に道や建物の方向を、

ほんとうに暇なし(日に十数回)、聞きながら歩くが、

答えは、9割がたスペイン語のみ。

まあ、「右が左か真直ぐか、くねくねと道なりに」、とか

「通りを何本渡るか、歩いて何分か何メートルか、通り名は何か」、とかの類いだから、

何とか理解はできる。

そして、説明してくれるその態度は、率直で親切。

面倒くさがったり、無愛想な態度をとることなぞ、めったにない。

こちらがよくわからないという顔をすると、終始スペイン語でだが、

熱心に、繰り返し説明をしてくれる。

向うから歩いて来るひとに声をかけることが多いのだが、

自分の来た道を(丁字路や交差点まで)戻って、

それから、丁寧に、こちらが迷わないようなコースを教えてくれる人が、何人もいた。

そして、概して、指示は適格で、

多少遠回りでも、余り曲がらないで済む、わかりやすい道を教えてくれる。

それゆえ、道に迷って困り果てた、なんてことはいちどもない。

旅行前は、その点が多少気掛かりだったが(スペイン語の学習は、放棄したため)、

杞憂だった。
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昨夜、テレビで闘牛中継を見てから、楽しみになった。

今日の中継は、6時半から9時過ぎまで。
日本のガイドブックには、

闘牛場の名前が、あまり載っていないので、

よくわからないが、

コルドバのサンタ・マリーア闘牛場のようだ。
マエストランサ闘牛場のポスター
Toros en Sevilla,
martes 15 de agosto, 2006
3人のマタドールが、交代で、各人2回、登場する。

そのうちのひとりが、刺すのを2度失敗し、3回目にやっと仕留めた、

が、観客は納得せず、ブーイングの嵐。

ピカドールが、馬に跨がって、

長槍を、牡牛の背中に突き立て、そして無理矢理えぐる。これは痛そうだ。

馬の横腹は完全防備になっているが、ある牛が、その横腹の下に角をこじ入れ、

人馬ごと、横ざまにひっくり返した。

また、ある闘牛士は、突進してくる牡牛に、尻を跳ね上げられ、一回転した。

くるっと回って、さっと跳ね起きたが。

剣が、柄の付け根ところまで突き刺さったときは、牛には致命傷になるようだ。

牛は前足からゆっくりとくずおれる。

と直ちに、勢子が、馬を駆り立て、

全速力で、倒れた牡牛を、場外へ引きずり出す。
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