'06年・スペイン彷徨
04-1.<< 8/6(日)マドリッドから南下、コルドバへ >>
スペインに着いて以来、これまで、連日快晴、空には雲ひとつなし。

日中は32度C前後。空気が乾いているので、ぜんぜんベタつかない。

日差しは強烈そのもの。日陰がじつに心地よい。日向と日陰とでは雲泥の差。

8時半にホテルを後にする。

フロントには、先おととい、このホテルに着いたとき、むずかしい顔をしていたオネエチャン。

きょうは去りがけに、「アスタ・ラ・ビスタ(またいずれ、会うときまで)」と言ったら、

うれしそうに愛想をくずし、「グラーシアス」と言った。

15分でアトーチャへ。

タルゴ200でコルドバへ向かう。道中2時間。

コルドバの駅に着いてすぐ、あさってのマラガ行きの予約をする。

手前勝手な意志の疎通方法のやり取り、でだが、少しづつ要領がわかってきた。

仏伊語に西語の単語を綯い交ぜると、予約が簡単にできる。

もちろん相手の返答は例によって、ほとんどスペイン語のみ。
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駅前の左手は公園のようだ。

正面と右手は、(おそらく)以前の建物が取り壊され、現在、再開発中、なのだろうか、

だだっ広く、殺伐としている。
駅前の左手は公園のようだ。

宿は近くのはずだが、目安となるような建物が見えず、

ちょっと方向の見当がつかない。
aus: Baedekers Reisefüher,
Spanien; 1992
道を聞こうにも人が見当たらない。

やっと中年の人が通りかかった。道を尋ねようと、声を掛けると、

いったんは、「こちらの言葉がわからない」という仕草で、断られかけた。

それではこちらも困る。相手の態度に構わずに、

「この近くのホテルで、○○ホテルいうのだが」と言うと、

幸い、その場所を知っていた。

後に付いて来い、という素振りをして、左手の交差点まで行く。

その先が樹木の生い茂った公園になっていた。

その公園の、斜め右手前方を手で示し、

「この方向まっすぐが、そのホテルだ」と教えてくれる。

言われたように公園を通り抜けると、すぐに見つかった。

フロントに誰もいない。ベルもない。

フロントの脇がレストランになっていて、オネエチャンが、そこで掃除をしていた。

用件を伝え、呼んできてもらう。

すると、七十前ぐらいだろうか、恰幅のよい、頭の薄い、元気のよい老人が出て来た。
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部屋に荷物を置いて、町へ繰り出した。

ユダヤ人街 (ghetto) 界隈の雰囲気がよい。

このあと訪ねたほとんどの都市に、このように小路が入り組んだ、旧市街があった。

われわれ旅行者には、この、迷路のような小路が、じつに印象深い。

車での出入りにはとても不便であろうが、

それは承知の上で、保存に努めているものと思われる。

プエンテ・ロマーノ(ローマ橋)は、残念ながら修復中だった。

駅の方向へ南北に伸びる、大規模な、

そしてたわわも実った椰子の木がみごとなビクトーリア庭園(遊歩道兼公園)も

大掛かりな改修をやっていて、なかは通れない。

そして、きょうの暑さはすごい。

36度もある。これ以上、外にはいられない。

2時半にはホテルに戻る。
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フロントに、かのジイサンがいた。

ここは、英語で申し込んだのに、スペイン語だけの返事をよこした所で、

ジイサンの説明「エアコンの動く時間は、午後3時から、朝まで、だけ」を理解するのに、

いささか手間取った。

こぢんまりしたホテルだが、造りはしっかりしている。

ドアも厚く、閉まるとき、しっかりとした音がする。

昨日までのマドリッドのホテルは、大きな建物だったが、あれは安普請だった。

左右の部屋の声や物音が、ほとんど筒抜けで、明け方近くまで、騒々しかった。

こちとらは、歩き疲れているから、眠れない、ということは全然なかったが。
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今日は静かだ。この環境は申し分ない。
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