'05年・スイスの南北と西の端
08-1.<< 8/11(木) ローザンヌ往復 >>
車内放送の発音は「ロザン」か「ロザンヌ」のように聞こえた。

ロザンヌの駅のホームに TGV が停まっている。駅員に聞いたら、パリ行きの TGV とのこと。

あとで気がついたが、スイスの主要駅には、TGV が、けっこう入り込んでいた。
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ロザンヌのブール通り(Rue de Bourg)で家内と娘がバッグ屋に入った。

女どもの買い物のときには、だいたい、こちらは中に入らずに、外でぶらぶらしている。

と、家内が小さめのバッグを手に、「何の革かを聞いてくれ」と言う。

それで、売場のオネエサンに尋ねた。

「シュヴライ」という風に答えた。聞き返してみたが、同じだった。

「ドイツ語では何と言うのか」「わからない」

「英語では」「それもわからない」

これではお手上げだ。

家内は、かまわずにそのバッグを買った。

ホテルに戻ってから、娘がガイドブックの単語集で、

chevreuil「シュヴルェイユ、シュヴレイィユ」(鹿の肉)というのを見つけた。

帰国後、辞典を引いたら「のろ鹿」(食用の小型の鹿)と出ていた。
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カテドラルの上で、孫ふたりを連れた老夫婦を見かけ、

ここからモンブランが見えるかどうかを聞いた。

と「この方向に見えるのだが」と手で指し示し、

「しかし、きょうは残念ながら、見えない」とのこと。

娘が、「その方向の雲の中に、かすかに、それらしきものが見える」と言うので、


右のスケッチは、(ガイドブック)ベデカ-に載っていたもので、ジュネーヴから見えるモンブラン連山。

そちらにカメラを向けて、写真を撮った。
Baedeker には

「モンブラン湖岸通り(Quai du Mont-Blanc)からは、

とりわけ、晴れた日の夕方に、

すばらしいモンブランの連山の景色が見える」

との説明が付いていた。
aus: Baedekers Reisefüher,
Schweiz; 1989
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駅に戻って来た。時刻表を見ると、13:17発の InterCity がちょうどよい。

これに乗ると、ジュネーヴまで、30分と少々だ。

電車が入って来た。乗ろうとした車輛から、かなりの年輩のお年寄りたちが降りて来る。

それでひとつ前の車輛のドアから乗り込んで、デッキで、お年寄りが降り終わるのを待った。

ひと車輛を貸し切りのように占めていたから、ゆうに5、60人はいた。

ひとりずつ、ゆっくりゆっくり降りてきた。

だいいち、車輛のステップを3段下って、ホームに降りるのだから、だれでもゆっくりになる。

特急電車は、その間、しずかに待っていた。

やっと全員が降り切ると、電車は、少し間を置いてから、音もなく動き出した。
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ホテルに戻ってきた。

フロントの、もう何度か会った男が、ちらっと我々を見る。が、すぐ自分の仕事を続ける。

初めての顔の若い女性がこちらを見る。

小生は、何の考えもなしに、ぼんやりと、部屋の番号(512)を言った。

言ったつもりが、

「サンソンドゥーズ」を「スワソンドゥーズ(72)」と言い間違えてしまった。

マドモワゼルは、豆鉄砲をくらったような顔をしてこちらを見つめる。

と、即座に、かの男性フロントが、頭を上げずに、下を向いて仕事を続けながら、

小声で、女性に「サンソンドゥーズ」と訂正して伝えてくれた。

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