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15.ボルドーからパリ・モンパルナス
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朝の7時、プティ・デジュネーのために下に降りて行くと、
フロントの男が、
「食堂に団体の客が入っている。
申し訳ないが、他の場所で食事をしていただきたい。
ご自分の部屋でも結構です。」
自分の部屋へ戻って、食事が上がってくるまで、悠長に待ってなぞいられない。
「こちらで食事をしたい。私は8時に出発するつもりです。」
男は、
「それでは、そこで待っていてください。」
と言って、フロントの脇にテーブルと椅子をセットして、
まずまずすみやかに、食事の用意をしてくれた。
娘が、
「団体はイタリア人みたい。
(近くの)ソファーにいる二人が、コメスターイなどと言っているよ。」
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モンパルナス行のTGVは、ボルドー始発だった。
車内はわりと空いている。そして静かだった。
パリまで4〜500キロで、3時間の行程だが、楽な旅だった。
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モンパルナス駅に着き、
まずはカルトランジュ(定期券)をどこで購入できるのか、案内で聞こうと思ったが、
たくさんのひとが並んでいる。
ちょうど警備のひとが通りかかったので、聞いてみた。
「向うのエスカレータを3回降りろ。」
言われた通りに下ってゆくと、メートロの入口の、その手前に窓口があった。
見るからにベテラン風な、太りじしのオバサンだった。
「一週間用のカルトランジュ、ゾーン4まで。」
「日曜までだが、それでよいか。」
「それでよい。」
やはり念を押しておこうと、
「あすは、ヴェルサイユへゆくつもり、あさってはCDG空港までゆく。」
すると、
「CDG空港はゾーン5。」
「SNCFのレイルパスを持っているのだが、それを使うことはできないか?」
「使えない!」
これはおかしい、と思ったが、こう断言されれば、仕方がない。
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(あとでSNCFのパンフレットを見たら、
France Railpass is only valid on the RER B line
(between Charles de Gaulle and Paris-Nord)
and on the whole of the RER C line.
「フランス・レイルパスは、
RER B線のシャルル・ド・ゴールとパリ・ノールの間、
および、RER C線の全線でのみ、通用する。」
とあった。
ただ、いちいち窓口で通行券をもらってから、乗り換えることになるので、
荷物があるときはわずらわしい。)
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「それでは、ゾーン5までの券を!」
ひとり30ユーロと少し、さほど高くはない。
これでメートロの全部、そしてRERもかなりの範囲まで、
自由に乗り降りできるのだから、とても楽だ。
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さっそく6号線に乗る。
予定のホテルへ行くため、ラスパイユ駅で降りたのだが、
「6号線は Raspail 駅の先は工事中で、6月末から8月末まで運行停止
」という意の表示が出てる。
多少は不便だが、この駅には4号線も入っているから、さほど支障はない。
地上に出ると、目の前に、ホテルが見えた。
バス付きの二人用の部屋を、ふたつ当てがってくれた。
落ち着いた作りの部屋で、なかなか感じがよい。
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外出し、パリ第5大学の脇を通り、ルクサンブール公園の中を抜け、
ソルボンヌの南端を掠めて、パンテオンへと歩く。
サンテティエンヌからカルティエ・ラタン、さらに、第6、7大学の脇を通り、
サンルイ島へ。
島の手前の橋からノートルダムが見える。
雨が降ってきた。
6号線は使えないの、少し遠回りをし、7号線に乗り、
シャトレで乗り換えて、4号線で帰る。
宿で、ひと風呂浴びたころ、外はドシャ降りの雨。
早めに引き揚げて、幸いだった。 |
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