'04年・フランス漫歩の巻
14.ボルドー
空はどんよりしているが、さいわい、雨は上がっている。

8時半に外出。

サント・クルワ教会の脇を通り、サン・ミシェル寺院へ。

このあたりの小路の雰囲気が、なかなかよい。

ヴィクトル・ユーゴ通りに出る。

グロス・クローシュを過ぎてから、右に折れて、北上し、

コメディ広場で、また右折し、証券取引所のところに出て、

そこから、ガロンヌ川の左岸沿いに、さらに北へゆき、

カンコンス広場で、向きを変えて、西へ横切り、

ジロンド派のモニュメント、ガンベッタ広場を経て、サンタンドレ大聖堂へ。

その後また北上する。

今日は、もうすでに6、7キロは歩いた、気がする。

足の裏が、ヒリヒリしてきた。

途中で、ソンドイッチと、一種の焼き菓子(名前は忘れた、

釣鐘型で、シナモンの香りが強く、こしが強くて、ネチッこいモチ風だが、

味はなかなかいける)を買い、

公園(ジャルダン・ピュブリック)でひと休み。

静かで落ち着いた公園である。
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きのう見つけた大型スーパーで、

18.20 € のサンテミリオン、26.91 € のサンテステフ、その他もろもろを仕入れる。

やはりきのう立ち寄ったファーストフードの店で、

バゲットに、タマネギとトマトとハンバーガーを、挟んでもらう。

焼いているあいだ、そのまま待っていると、

イギリス人(と思えたが)のオバサンが、

パンの種類と、なかに入れてもらう具の注文で、苦労している。

店の兄チャンに、「フランス語で注文するのは、むずかしい」と言っているので、

「私もそうだ」と口を挟んだら、

「英語にはない発音があるので、むずかしい」ということだった。

「でも、たいてい、ラ・ラとラをください、と言えば通じます。

これはインターナショナルですから」と、いささか乱暴な話になった。

できあがったソンドイッチを受け取り、かのご婦人に挨拶をして、店をあとにする。

見ると、ご亭主が、店の前のテーブルで、所在無げに座って、待っていた。
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折しも、今日の『ル・フィガロ』の第一面の見出しに、

「ぶどう園経営者の苦渋」の記事が載っていた。

内容は、「このまま好天気が続けば、

ボルドーでは、去年よりも、収穫が 800 000エクト (ヘクト) リットルも増加し、

ブルゴーニュなどでは、生産が15%の増加する、予定だが、

ひとびとは、生産過剰を恐れている。

なぜなら、フランスワインの売れ行きが悪いからである。

フランス国内では、この20年間で、ワインの消費が約50%も減少し、

かつ、今も減り続けている。

外国では、フランスワインは、

新世界のワインによって激しく攻撃されている、」

云々。
from: LE FIGARO, le mardi 17 août 2004
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今日の乾燥ソシソン (sausisson sec pur porc) は、値段の少し高い方を選んでみた。

半径が5センチぐらいで、固めで、

全体が、紐で、網の目状に、がんじ搦めに縛ってある。

いや、網状だが、食べるときに、端を広げると、

紐は、少しづつ、ほどけるようになっている。

今日のが、やはり、今までで、いちばん味がよい。
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