'04年・フランス漫歩の巻
07.リヨンからマルセイユへ
朝8時すぎ、精算を終えて、宿を出るとき、

フロントのお姉チャンが、「オルヴワール、ア・ビアントー!(ではまた近いうちに)」

À bientêt! はこういう場面でも使うのか。

またおいでください、ということかな ?

外は雨。
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乗る予定の9時10分発のTGVはニース行きだった。

20分の遅れ、と表示されている。番線はH

しばし待ったのち、9時5分にホームへ。

指定車輛の5号車の停車位置は、ホームのはるか南の端だった。

車輛の停車位置も、ホームに電光掲示で示してある。

電車は30分遅れで、入ってきた。

リヨンを出たころは、かなりの雨が窓ガラスを叩いていたが、途中で上がった。

マルセイユは晴れだった。
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すぐに地下へ降りて、メトロの窓口で聞いた。

「カルネはどこで買えるのか」

「ここで」

10回分か ?

「いや6回だ」とキャッシュカードの大きさで薄手のカードを一枚よこす。

「こちらは3人で使いたいのだが。」

「そのカルトで乗れる」それ以上の説明はない。
カードには Carte Libertés とあった。

「路線図はあるか」

黙って、スイとよこした。
地下鉄は、パリでもそうだったが、

通路やホームにある行き先表示が、終点の駅名ゆえ、

路線図をもらわないことには、電車の方向がわからない。

カードの使い方は、

「最初の者が、カードを、挿入口に差し込み、バーを回して入る。

そしてそのカードを後ろに手渡して、次の者が入る、」

という具合にすればよい、と解釈した。
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2号線でひと駅、ノアイユで降り、カヌビエール大通りを西へ。

200メートルほど歩いて、ある交叉点に出た。

何となく、「この辺りで左に曲がるのではないのかな」と思って、辺りを見回すと、

「界隈の番地」の表示板が立っていた。

案の定、この角を左折だった。

曲がると、もうホテルの看板が見えた。

フロントは2階にあった。

当てがわれた部屋はスュイット(2部屋続き)で、クーラーもある。

ホテルの脇にファーストフードの店(ピッゼリア)があったので、

そこでフレンチスタイルのハンバーガーなるものを買い、部屋で腹ごしらえをする。

分厚い半なまの肉が挟まっていて、食べごたえがある。味もよい。
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街をぶらついてみる。

マルセイユは、ひとまたひとで溢れ返っていて、じつに賑やかな町だ。

ヴュ・ポール(Vieux Port、旧港)の雰囲気も活気があって、楽しい。

周りの建物群もなかなか趣がある。

もう一度、メトロのノアイユ駅あたりまで戻ってみて、

そこから、こんどは東の方向に折れて、適当に、横町に入ってみた。

途中にマルシェがあり、混雑していた。

果物類をいくつか買った。

どこかで缶ビールを買おうとしたが、

酒屋もスーパーマルシェも、どういうわけか、さっぱり見当たらない。

そのまま脇道を、旧港の方へと、歩いてゆくと、

やっと一軒、エピシエ(食料品や、ミニスーパー)が見つかり、

ソシソンとビエールを買い求めた。

港町の日差しは強烈で、歩くのはもう限界。

最近は、無理をしないことにしている。

まだ午後2時半だが、ホテルに引き揚げる。
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テレビのチャンネルを BBC World というのにしてみたら、

日本のミハマの原子力発電所で事故があり、

4人の死傷者が出たことを、大々的に伝えていた。
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