'01年・ドイツ再訪の巻
9.ドレースデン経由でベルリーンへ
 Leipzig 8.01 RE 17449 で、Dresden へ、9.38 着。
 当初の予定はライプツィヒ8時38分発の ICE でドレースデンへ向うつもりが、
早めに駅に着いたので、その前の8時1分に出る RE にした。
 この列車は発車10分前でもがら空きで、少々時間がかかってもこの方が遥かに楽と思われた。
 ICE はミュンヒェンから来るが、この RE はライプツィヒ始発ゆえホームに立って待つことも必要ない。
 ところが、これが裏目に出た。
 乗った RE が、20分ぐらい走っただろうか、ヴルツェンという駅で、停車したまま動かない。
 この駅で乗り込んできて、後ろの席に座った勤め人らしい女性に聞いてみたが、わからないと言う。
 ホームに降りて他の人に聞いたら、どうも機関車の故障らしいということだった。
 そう言えば、いまさら後の祭りだが、ライプツィヒでの出だしから、少し走りがのろい感じはしていた。
 30分も停まっているので、後続の ICE が、もうヴルツェン駅のホームの反対側の番線に入って来た、
が、素通りはせずに、臨時停車をした。
 他の乗客の一部は、荷物を持ってホームに降り、この臨時停車した ICE に乗ろうと、ドアのボタンをしきりに押すが、
残念ながらドアは開かない(停車駅ではないところに停まっているのだから、普通は乗せるわけがない)。
 こちらも倣って、荷物を運びかけたが、その様子を見て、諦めた。
 こちらの RE の機関車のエンジンが kaputt (壊れた)の由。
 新たな機関車を壊れた機関車の前に連結し、45分遅れで、やっと出発した。
 沿線を眺めていて気が付いたのだが、旧東側の小さな駅は、概して荒廃している。
 ドレースデン・ノイシャタットを過ぎ、エルベ川を渡り、ドレースデン・ハウプトバーンホーフに入る。
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 コインロッカーの場所を聞き、荷物を預け、外へ出るが、少しおかしい。
 向こうから子犬を抱いてやってきた中年の男に声を掛けたが、携帯電話で話をしていることに気付き、詫びてやりすごした。
 が、その男性は通り過ぎたあと、立ち止まって、携帯での話を続け、話し終わってから、戻ってきて、用向きを尋ねてくれた。
 そして、こちらが町なかとは反対の方向へ出ていることがわかった。
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下の図: 古ドレースデン  
Dresden, Elbbrücke und Schloßkirche

Aus "Deutsche Geschiche und Kultur"
Max Hueber Verlag, Ismaning bei München, 1872, S.78

 ドレースデンも工事中であった。
 とりわけ駅および駅前一帯の整備は大掛かりで、広範囲にしかも地下深く掘り下げていた。
 旧市内に入る前、11時ごろに、刻み肉、生ハム、モッツァレラ付きのブレートヒェンそれにケーキを買い、木陰のベンチで昼食。
 よい天気のときに木陰で休むのがまた、気持ちがよい。
 そしてビールを飲みながらお昼を食べると、肉とか生ハムとかの分量がまた、十二分に満足させるほどたっぷりなので、午後に歩き回るための、活力が湧いてくる。
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 ドレースデン中央駅発14時16分のインタ・シティ(IC 870、ハンブルク・アルトナ駅行き)でベルリーン・ツォー(ツォーロギッシャー・ガルテン)駅へ向かうつもりで、
発車30分前に発車番線の5番線のホームへ行き、前の方の車輛の停車位置である標識Aの近くのベンチで待っていた。
 ホームのいくつかが工事中で、ときに列車の発着番線の変更がある旨の掲示が出ていた。
 目の前には、いかにも古ぼけた車両が停まっていたが、臨時にこの番線に入った普通列車であろう、これが出てから IC が入ってくるのだろうと思っていた。
 だが、そのポンコツ風な列車は、ぜんぜん出る気配がなく、延々と停まっている。
 先程までは周りのベンチにけっこう人がいたのだが、もうホームの人影もまばらになる。
 発車12、3分前、これはおかしいと思い、車掌らしき人がホームに見えたので、近寄って聞くと、このガタ車がハンブルク行きだと言う。
 念を押して、これがハンブルク・アルトナ行きの IC 870 なのかと言うと、何をくどいことを、という顔をして、そうだと言い残して、さっさとその列車の中へ消えた。
 これにはまったく驚いた。あわてて荷物を担いで乗り込む。
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 適当なボックスに腰を下ろして、あたりを見回す。
 車内はがら空きで、座席などは居心地よくしつらえてはあるが、かなりの年代物と見た。
 列車は時間通りに出発した。
 窓から見える景色は、耕地と雑木林と牧草地。
 そして荒家や未鋪装の道路も目に入る。
 線路の状態はあまりよくないが、そこを列車はかなりのスピードで飛ばす。
 しばしののち、トイレに行った。
 なかに、停車中は使用禁止、と表示してある。
 今どき珍しい。
 しかし、ひとは(ものは)見かけによらない。
 昨日の新式の ICE の車内は蒸し風呂だったが、今日のガタ車は涼しい。
 よく見ると窓枠の下部にエアコンの吹き出し口様のものがあり、そこから気持のよい冷風が入ってきている。
 冷房はありえないから、外気だろう、と思っていたのだが、
 あとでベルリーン・ツォーに降り立ったとき、駅のホームは熱風だった。
 夕方、宿のテレビは、ポツダムの今日の気温は日中35℃と報じていたから、
かのオンボロ IC は一種の冷房付きだったのだろうが、それで垂れ流し(?)というのだから、妙だ。
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