'01年・ドイツ再訪の巻
3.乗り換えにもたつきつつ、ローテンブルクへ
 昨日、ヴュルツブルク駅の黄色の発車時刻表で、ローテンブルク行きの連絡を確かめておいた。
 諸駅間の連絡を冊子に纏めてあるものをも、もらった。
 ヴュルツブルク駅の冊子は、ローテンブルクへ行きたければ、そのページを開くと、そこへ行くための列車が、乗り換えを含め、時間順にすべて載っている。
 個別の駅間のペラの紙のもある。
 冊子を宿で開いて見ると、ヴュルツブルク8時43分発のは、シュタイナハ乗り換え、ローテンブルク9時51分着とある。ただし、右端に土日運行と記してある。
 フロントの中年の男に、この点について質してみると、
 「8時43分発の RE 20007 はいつも走っている。」
 フロント横の壁に張ってある時刻表を示して「これにも載っている。」と断言する。
 それで思い込みをしてしまった。
 〜〜〜〜
 ヴュルツブルク8時43分発トロイヒトリンゲン行きの RE 20007 に乗り、
乗り換えるために、シュタイナハに降り立ち、あたりを見回すと、他に電車は見当たらない。
 プラットフォームにもほかに人影がもうほとんどない。
 これはおかしい。
Das Bahnnetz oben: aus "Railways in Germany", DB AG
 プラットフォームで乗客の乗り降りを確認している若い女の車掌が、2輛ほど向こうに見え、今にも列車に乗り込もうとしているので、あわてて、
 「フロイライン!」(女の車掌をこう呼んでよいのかどうか? 一瞬、迷ったが、躊躇している場合ではなかった。)
と叫んだら、立ち止まってこちらを向いたので、
 「ローテンブルクへ行きたいのだが、どこに列車が...」
 「オー、マイン・ゴット! あと1時間 待たなければならない。」
 近づいて行って、手持ちの時刻表の表示の意味を聞く。
 言われて見れば、何のことはない。
 こちらが、うかつだっただけ。
 RE 20007 は毎日運行だが、シュタイナハとローテンブルクの間の RB 70143(レギオナール・バーン:普通列車)が土日運行。
 それゆえ、Würzburg Hbf 8.43 発 Steinach 乗り換え Rothenburg o d Tauber 行きのコース全体としては、土日運行と表示される、ということだった。
〜〜〜〜
 シュタイナハ駅の待ち合い室で1時間 待っている間、手許の時刻表をあちこち眺めた。
 ローテンブルクへ往復したのち、あまり時間がなければ、シュタイナハからトロイヒトリンゲンまで RBRE で行き、トロイヒトリンゲンで超特急 ICE 587(インタ・シティ・エクスプレス)を利用しようかと思った。
 これならミュンヒェンに夕方5時ごろに着く。
 凸型の出張っている部分が総がラス張りの列車制御室になっていて、そこで運行表示板とコンピュータを前に、左右の列車に気を配っている駅長(この駅で唯一の駅員?のようであった)が見えた。
 がラス張りをぐるっと回って、左脇の通路のドアが開いていたので、そこから入っていって声をかけた。
 「入ってはいけない」と言われたが、
 「すみません、お尋ねしたい」と言ったら、応じてくれた。
 「レイルパスは持っているが、ICE 587 には、予約していなくとも乗ることができるのかどうか?」
 言下に、「乗ることはできない。いまからでは予約が取れるかどうかわからないが、ローテンブルクの旅行案内所に当たってみろ。」
 この駅長はいったいインタ・シティ・エクスプレスに乗ったことがあるのか? 
 ローテンブルクのライゼ・ビュロー(旅行案内)で、窓口の若い女性に予約のことを尋ねてみたら、即座に、
 「kein Problem (no problem) ! 予約がなくとも構わない。」
〜〜〜〜
 レーダー門とマルクス塔のあいだのレーダー小路(Rödergasse) を歩いていると、ある店のショーウィンドウに、甲革で作った女物の小銭入れが飾ってあった。
連れどもが欲しがるので、入ろうとするが、カギが掛かっており、ひと気もない。
 見ると、ガラス戸に貼り紙があり、販売は皮革工房の方でしていること、そして、そこまでの道順が図示してある。
 店の前のレーダー小路を西に下って、最初の十字路を左折、その通り(ローゼン小路)を二つ目の角まで行き、また左折してガルゲン小路に入り、すぐ右手に工房があるとの由であった。
そんなこんなで、ローテンブルクの石畳みをぐるぐる歩き回ってしまった。
〜〜〜〜
 用が済み、ローテンブルクの駅に戻って、14時6分発の RE に乗り、前と同じくシュタイナハで乗り換えて、RB で トロイヒトリンゲン へ。
 が、この普通列車はトロイヒトリンゲンに到着するとき、4分遅れていた。
 この駅で5分待ちでミュンヒェン行きの快速に乗り換える予定だが、待ち時間が1分しかない。
 重い荷物を持ったり、引っ張ったりしながら、慌てて(他のドイツ人たちも走っていた)別のホームへと階段を下り、また上る。
 (ここのプラットフォームへの階段はどうなっていたか、少し慌てていたので、忘れてしまったが、階段の脇に [ベルト] コンヴェアが付いていて、手荷物を載せると動き出す仕組みになっている駅が、半々ぐらいの割り合いで、あった。)
 ドイツの車掌は、いつもホームで、乗客の動向を見ているので、こういう場合はありがたい。
 列車は乗客が全部乗るまで、待っていてくれた。
 この列車は RE だが、2階建ての新型であった。
 列車は、ドーナウ川の支流のアルトミュール川沿いにしばらく走り、アウディの町インゴルシュタットの手前でドーナウ川を横切る。
〜〜〜〜
 夕方5時半ごろに、ミュンヒェン・ハウプトバーンホーフに到着した。
 旅行センターで、ニュルンベルク、レーゲンスブルク、パッサウ行きのペラの時刻表(行き先別の1枚ものの時刻表、量が多ければ折り畳んだりしてA6版に統一してある、ほぼハガキ大)をもらう。
 これは必需品である。
 ふつう、自由に取れるようになっていた。
 ミュンヒェン Hbf も終端駅。Frankfurt Hbf でのときと同じように、駅の南端の出入り口から出て、駅前の通りを南へ下った。
< 前のページ